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内容説明
世界遺産白神山地で最後の伝承マタギであり、マタギ集団のリーダー・シカリとして知られた鈴木忠勝(1990年没)との長年の交友、聞き書きを通じて、現在では失われてしまった北東北の狩猟・山村文化を記録した超力作。
狩猟と山の生活のルポに加え、伝承や歴史史料を駆使、自然と共生してきた山村の生活文化を描き出す。
2014年七つ森書館刊行の書籍の内容をより幅広く伝えるため、また内容を理解するための地図を新規掲載し、文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぃ
26
白神山域、最後の伝承マタギ鈴木忠勝の生涯を綴った本。ある時は開発、またある時は自然保護の名の下に住まいや暮らしを変容させていった人々。山賊と呼ばれるほど急峻な山の中にその拠を置いていた北アルプスに比べると、里山らしい山林を生活の延長として活用していたことが伺えるが、禁忌とされる行為などはびっくりするほど共通している。白神山地を保護することは必要だったかもしれないけれど、ここにある伝承マタギの人々が自然を傷つけていたとは思えず…著者が締め括るように、その共生の仕方を学ぶような場となっても良かったのではないか2021/02/02
ゆぎ🖼️
23
マタギさんの語り口がオトマトベありで軽妙かつひょうきんである。熊は捨てるところなく、薬や食料にしていたこと。マタギの伝説では槍一本で不意をついていたのが始まりのようだ。仕留められなかったときは死んだフリをして転がされて顔の皮を剥がされても生き延びて必ず仕留めた伝説とか。小熊は残らず仕留めないと祟られるとか。密猟者やハンターよりも山に生きる掟を訥々語る。ときどき怖い話もあり。2020/10/23
りー
15
単純に「ゴールデン カムイ」マタギの谷垣ニシパがカッコいいから、という理由で読み始めました。白神山地最後のマタギ鈴木忠勝さんの口伝を受けた登山家の著者が書いた本です。山の生活についての描写は深い森の気配(知らないのに)を感じ、引き込まれます。そこだけ読んでいてもクワクしますが、著者が本当に投げかけたかったのは、世界自然遺産に登録された後、魚釣りや山菜採りなどが禁止され、人間と森が相互に築いてきた関係が歪んでしまったことへの疑問でした。2020/04/25
ichi
12
【図書館本】ホンモノのマタギを知ることができた。今でいう白神山地(当時はそんな地名はなかった。)の正真正銘の最後のマタギのノンフィクション。とても読み応えあり。2018/06/17
とも
4
今さら感想を記録します。 山の本を読もうと思い書店へ。 当時「山怪」が売れていて、どちらにするか迷いましたがこちらで当たりだったと思います。 (全く趣旨の違う二冊ですが) 熊打ちが職業だった頃の、マタギの記録の本です。 2018/04/09