内容説明
あなたの記憶のカケラ、いただきます――。
誰も知らない街の片隅に、ある日突然現れては消える喫茶店がある。いつも同じところにあるとは限らず、またいつも同じ姿をしているとも限らない。一度は訪れたのに、二度と近づけないこともある。ここは迷える魂を抱えた者だけがたどりつく場所だ。店内は深い水底のようにひっそりと静かで、不思議なマスターが美味しいコーヒーを淹れてくれ、ときどき機械仕掛けの金魚を連れた美しい少女がやってくる。僕がかつてふと迷い込んだ「アクアリウム」は、そもそもそんな店だった。
少女――キリトは、今日も来訪者に告げる。「あなたは、何が欲しいの?」
運よく彼女に出逢えた客は、心の内にわだかまった望みを叶えてもらえる。だが望みの成就と引き替えに、彼らは必ず何かを失って店を出るのだ。僕はキリトのそばで、そのさまを幾度も眺めている。
「あなたの記憶のカケラ、いただきます」
カケラは降り積もって、やがて別の誰かの望みを叶える鍵になる。記憶鮮明オカルトファンタジー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
32
不思議な話だった。ライトな感じではあるけど内容は重くて不思議な世界に迷い込んだみたいだった。続きあるのかな?2020/10/27
Nori
2
不思議な喫茶店を舞台にした連作短編集。続編が出てもよさそうな構成だけど謎は謎のまま完結しているみたい。個人的にはネット弁慶の短編が一番好きでした。2024/05/16
いもあん🍠
1
サクッと読める。 金魚がかわいかったけど、内容とか色々軽すぎて…。 そういう本を扱うレーベルなのかな? もっとずっしりしたの読みたくなるね。2018/08/19
迥
1
うーん、次も様子見で買ってもいいような、そうでもないような…微妙2018/03/28
あいちょ。
0
図書館。 2019/01/22