内容説明
商の紂王に仕える箕子は、王朝存続に心を砕くが、周の太公望が遂に商討伐の軍をおこした。古代中国商王朝の滅亡を描く一大叙事詩。
歴史小説家・宮城谷昌光の実質的デビュー作!
六百年に及ぶ栄華を誇る古代中国商(殷)王朝の宰相箕子は、新興国周の勢力に押されて危殆に瀕した王朝を救うため死力を尽す。
希代の名政治家箕子の思想を縦糸に、殷の紂王、周の文王、妲己、太公望など史上名高い暴君、名君、妖婦、名臣の実像を横糸にして、古代中国王朝の興亡を鮮かに甦らせた長篇歴史ロマン。
それまで活動してきた純文学系同人雑誌が終刊することになり、作家としての岐路に立った宮城谷氏が、以前から興味のあった中国の歴史に材を取り、限定500部の私家版で刊行。
そのうちの1部が司馬遼太郎氏の目にとまり、励ましの葉書を受け取る。
その後、名古屋の海越出版社から刊行され、94年3月に文春文庫化。
解説・平尾隆弘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シタン
9
宮城谷氏のデビュー作で、商周革命を商(殷)、主に箕子の視点から描いている。古代の迷信的な奇怪さの印象がすさまじい。紂王は、聡明すぎたのかもしれない。漢字の使い方にこだわりがあるようだが、よくわからない。国が滅びようとするときに音楽が逃げ出す???(p. 446)唐突のフルトヴェングラー。2024/07/13
Mzo
8
商王朝末期の様子を描く宮城谷昌光のデビュー作。一応主人公は箕子になるのだろうけれど、ずっと登場している訳でもなく、『王家の風日』というタイトルが実に好適。敵役の太公望は、別作品の人物像とはかなり違いますね。宮城谷作品では珍しい気がする。次は、久しぶりに、その『太公望』を読みます。2025/07/04
はる
7
宮城谷昌光氏の3冊目の小説。この小説は商(殷王朝)最後の帝辛と叔父箕子との物語。受(辛。多くの者は紂王と呼ぶ)は中原に初めて専制の政治を追求した狂人。諸部族から神を取り上げ帝の意志の国を作ろうとする聡明で潔癖な受。過度に創造的で独創性に走る受の政治に叡智の手綱を箕子がとる。疎まれ遠ざけられる箕子。箕子のいない隙に佞臣費中が妲己とともに入り込む。耳元への囁きは受をして己が見たいものしか目に入らない狂人に変えて行く。商は猛り狂いながら周の術中の壺底に堕ちて行く。叔父箕子は商滅亡が近いことを理解する。2022/06/28
たけはる
4
宮城谷さんのデビュー作だったらしい(あとがきを読んでようやく知った)。解説にもある通り、紂王に対する目線がやさしくて驚きました。この方の小説を読むと、いつも「王の孤独」ということをしみじみ考えます。登場人物としては、贏廉とかが案外すきだったかもしれない。あとこの話の伯邑考はハンバーグじゃなくてスープでした。どっちも嫌だ……。2018/07/08
かなえ
3
商から周へ。商の名臣・箕子が主人公ということになるのだろうけれど、周公視点の場面も多い。商の最後の王・受王(紂王)のイメージは変わった。『天空の舟』の桀王もそうだけれど、ただの暗君ではないというか。今回は中国の地図を片手に読み進めた。何となく位置関係を意識しながら読めたかな。再読時には少しまとめたい。2021/06/13
-
- 電子書籍
- エロントロピーが止まらない!~JK巫女…
-
- 電子書籍
- ライアーマリッジ・デイズ 4 ナニイロ
-
- 電子書籍
- 捨てられ騎士の逆転記!~女神と始めた第…
-
- 電子書籍
- 天涯侠路【タテヨミ】第140話 pic…
-
- 電子書籍
- 新 仮面ライダーSPIRITS 特装版…