内容説明
ある商店街に住みついていた地域猫のミーちゃん。地域のみんなに可愛がられていたが、ある日行方不明に…。小さく弱い存在であったミーちゃん。人から世話をされることで生きてきたミーちゃんだが、周囲の人たちに喜びや癒し、幸福な瞬間など生きるエネルギーを与えていたことが、いなくなって改めて分かった。自立ばかり声高に言い立てるのではなく、弱いものが周囲を信頼して共に生きていける街で暮らしたい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おか
48
読友さんのレビューを読んで いつか読みたいと思っていたら 偶然古書店で見つけて 購入。只 去年愛犬を亡くし 未だに立ち直っていないせいか、兎に角 ミーちゃんが心配すぎて、、、動物の一生が人間よりずーっと短いのは分かっているし、昔、地域猫が居なくなって散々探して居ないのを近所の人達と確認しても、心配で心配で、、、その時の心が蘇ってきて、、、うーん 余り良いレビューにはならない2022/03/20
ぶんこ
46
著者のお母さんが、岩槻の商店街で開いている美容室にやってくる野良猫のミーちゃん。 金物屋さんが避妊手術をし、美容室がワクチンや怪我の手当てをして、地域で可愛がっていたのに、中年小太り男性と思われる人に遠くの公園へ捨てられる。 見つかったのは2ヶ月後。 この行方不明騒ぎで、商店街だけではなく通勤・通学の人々など、多くの人との交流が生まれます。 ミーちゃんによって癒されていた人々がたくさんいた事に気付かされたのです。 残念ながら猫が嫌いな人がいます。 仕方ないこととはいえ、殺伐としてきた世相が怖いです。2015/11/28
さなごん
16
1匹の猫がつないだ人と人とのつながり。2015/11/30
にゃにゃ美
10
商店街の人達に愛されていたミーちゃん、どこへ行ってしまったのだろう。人間皆が猫好きというわけではないから、不妊手術や餌の掃除など協力して見守っていても、地域猫が安全に暮らし続けるのは難しいよね。地域猫を遠くに捨てたり傷つけたりする奴には同じ目に遭わせてやりたくなるほど怒りが湧く。ミーちゃん、生まれてきてくれて、ありがとう。商店街の皆様、ミーちゃんを愛してくれてありがとう。ミーちゃん、忘れないよ。2017/08/18
neconeconeco
7
昔ながらの商店街で暮らす猫のミーちゃんは、人々の好意により生きてきた。しかし、そんなミーちゃんが行方不明になって、多くの人々の心を癒し、笑顔にしてくれていたことを知る。人間関係が淡白になり、情緒や優しさが希薄になっていく今、商店街の人だけでなく、通りすがりの人々まで小さな命に手を差し伸べていたという事実に、失われつつある〝お互いさま、助け合いの精神”の根っこの部分を垣間見た気がした。それらの根は地中にあって見えないが、いつか萌芽し、綺麗な花を咲かせるかもしれない。そう思わせてくれたミーちゃんに心から感謝。2015/12/10