カナシミ

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カナシミ

  • ISBN:9784845632220

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内容説明

5分27秒の楽曲が7万7千の文字に転成!
スネオヘアーによる書き下ろし小説『カナシミ』

これまでに多数のアルバムを発表してきた傍ら、YUKIさん、新垣結衣さん、坂本真綾さんらへの楽曲提供やサウンド・プロデュース、サントラ/CM音楽の制作や映画出演などでも幅広く活躍中のスネオヘアーさん。彼が、自らの代表曲「悲しみロックフェスティバル」をもとにして小説を書き下ろしました。5分27秒の楽曲が、心に染みる泣き笑いの7万7千字に転成したのです。

◎内容紹介
大学の卒業式を目前に控えた時期、田辺高次は東京に引越してきました。音楽での成功をなんとなく夢見ていますが、これといった活動をしないまま、怠惰な日々を送ります。そんな時に現れたのがカナシミです。高次を導くかのように、あるいはもてあそぶかのように、カナシミは自在に振る舞います。高次はカナシミに反発しつつも、やがて惹かれていくのですが……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SaTa

11
全編を通じて主人公は常に自分を追って内側へ沈んでいく。たまにちょっと捻くれたユーモアやだらしなさを折り混ぜながら。まるで書き手ご本人のよう。元気をくれるよりもこうして低く黙って流れていく物語がありがたいこともあるのです。何気ない日常の風景が伝える切なさや、身に覚えのある痛い逃避、手垢塗れの迷いや孤独感。そういうのって捨てるべきか、しがみつくべきか。一度忌み嫌われがちなものと出会った人はそれが失われることはきっとないのだ。受け入れていくものなのかもしれないな。小説としては粗いかもしれないけど良かったな。2018/04/21

makimakimasa

9
noteのエッセイを読み、良い文章だなと思って本作も購入。予想外に味のある小説だったが、ファンじゃなければ読み切らなかったかも。自分は『悲しみロックフェスティバル』は好きな曲でないが、こうして本で読むと、「カナシミのいない悲しみ」って部分が、幸せを自ら否定する様な、なるほどスネオっぽいなーと腑に落ちる。脳内彼女とも違う、幻想の様でいて、いつも側にいる存在なのだろう。どこまで主人公に現実を投影させたか分からないが、連絡も無しにバイト止め続けるとか、彼女の男に殴られてボクシング始めるとか、やけにリアル。2020/05/28

Yushi Ochiai

4
スネオさん良い文章書くなぁってのが正直な感想。一貫したストーリーやゴールがあるわけでは無い日常。それらに対して、手探りで何を僕たちが見つけるのか。小説家ではないからこそこの文章のリズム感が出ているような気がしました。かなしみロックフェスティバルがもっと好きになりました。2018/08/25

spe03

4
ちっとも成長しない主人公と神出鬼没なカナシミを描いた純文学風青春小説。2018/05/06

タクト

4
スネオヘアー の名曲「悲しみロックフェスティバル」をテーマにした作品。 やりたいことが見出せずに生きている主人公の前に現れたカナシミ。 なかなかやりたいことが見出せない若者のアイデンティティに迫っていると思う。 その辛さが曲にも現れていると感じた。2018/04/20

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