内容説明
老いてなお「女」でいつづける母・登勢の奔放な性を嫌悪し、実家を飛び出した不器用な姉、千歳。
穏やかなだけが取り柄の凡庸な夫の伸幸とマイホームを構え、子どもにこそ恵まれなかったが、望んでいた人生を手にいれたと信じて疑わなかった。父違いの美しい妹・ユキがある日、転がり込んでくるまでは――高度経済成長期、重工業都市として発展していく福山の芦田川河口を舞台に、母と娘の葛藤、男と女の溝、生きることのどうしようもなさを、濃密に描ききった、著者の最初で最後の現代小説!
※本書は、2017年3月25日に配信を開始した単行本「芦田川」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
洋
30
母親の登勢、姉の千歳、妹のユキ。なんだそれ?の展開でツッコミ所満載だけど何故か飽きずに最後まで読めました。信幸の阿保さ加減にはもう失笑しかない。2017.03.252017/06/18
のんすけ
28
今井絵美子さん初の現代小説、らしい。ところどころ誰の話かわからなくなるほど場面が飛ぶことがあり、慣れるまで読みづらかった。本作の母と娘、そして主人公と妹。違うタイプの女が出てくるのに、深みが感じられないのが残念。そして出てくる男がまた情けない。あまり共感できない登場人物ばかりだった。2018/09/30
リノン
18
よく知っている場所が舞台の本は読むのが楽しい。しかし芦田川を毎日、見て育っていた私にとってこの結末は少し悲しいものとなりました。母、妹を巻き込んだ愛憎劇はスピード感もあり、備後弁もばっちりで、楽しめるのですがラストがなぁ。ローズタウンは明王台?福山競馬場は一度も行くことなく、無くなってしまい残念だったことを思い出しました。2017/06/09
クサバナリスト
9
かつて福山市民だったので、タイトル名につられて読んだ。母と娘、姉と妹、そして彼女らを囲む男たち。期待せずに読みはじめたが、泥臭関係、なかなか良かった。2017/05/05
Totchang
8
改めて「結婚」とは何かと考えさせられました。古来、武将に限らず、家と家を繋ぐ手段として存在した(と思われる)結婚。愛がなくとも成立するからこそ、愛憎が育まれるのでしょうか。2017/08/04
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