内容説明
鎌倉時代から650年にわたり薩摩の地を治めてきた島津家。その私領である都城島津家は4万石に多数の武士を抱え、藩の中で特殊な地位にあった。その都城島津家が残した日誌をはじめとする多数の史料から、明治維新とその後の日本の近代化を主導した薩摩藩の実像、都城島津家の君主と家臣団の知られざる物語が浮かび上がる。薩摩から見たもう一つの日本史、迫真の歴史ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maito/まいと
16
島津家は島津家でも、都城島津家の歴史。豊富な史料があるらしく、それらを基に描いた1冊。江戸時代の分家大名についてて紹介している本は学術本がほとんどで、文庫で読めるのは非常に貴重。かつ、島津の歴史を近く遠くの目線で見ていたその変遷も、島津という不思議な大名の特質を理解するに当たって、参考になる点が多かった。また、戦国→江戸→明治という時代の変化は、薩摩と島津、及びその周辺の地域をどう変えていったのか、その事象を具体的に描いておりケーススタデイとしても本当に学ぶべき所は多かった。地味だがオススメ。2018/03/24
omiya_3
2
著者はかつて都城島津家の久厚公と縁があり、その繋がりから書くに至ったという。 島津家や、薩摩から日本史を見、それらを分析している。 鹿児島の特徴については様々なところで指摘されている通りで、現代にまでやや独特な風習が残っており、それは本書でも指摘がされている。そのような鹿児島県人特有の風潮や考え方などの分析については多少疑問を感じるところもあったが、近代における旧大名家とその家臣の付き合い方や、大名華族としての他家との風習の違いなど、初めて知ることも多々あり、読んで良かったと言える。2018/01/21
Mitz
2
「合理と非合理が一人の人物の中に同居している矛盾、それこそ幕府や諸藩の武士たちが薩摩武士に対して抱いた懼れの核心である(45頁)」鎌倉時代以降700年続く島津家の統治下で幕末まで戦国時代の風習を残しつつ、その一方で徳川幕府の鎖国政策下、海洋に出て富や知識・情報を蓄積し、島津斉彬による開明的な集成館事業に繋げた。幕末の英国との戦争・和解、倒幕の推進。そして西南戦争での薩摩武士の終焉…。この著では触れられていないが、8世紀初めに隼人が大和政権に反旗を翻した事を合わせても、なんとも異質な存在であるといえよう。2018/01/14
チュルちゃん
1
島津の分家、都城島津家の日誌を基に戦国時代から終戦までを解説した内容。 薩摩の武士がなぜ血の気が多くて交渉上手だったのか分かった。2020/09/27
金吾
1
○ 都城島津に焦点を当てた本ははじめてでしたので、知らないことが多く読んでいて楽しかったです。2019/04/26
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