内容説明
「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えてゐる。」(『銀河鉄道の夜』)。冒頭の「宮沢賢治はなぜ石が好きになったのか」からはじまり、ミケルアンジェロと竜安寺の関係、モーツァルトが石の名前になったわけ、吉良上野介の墓石など、鉱物の深遠にして、不思議な真実が次々と披瀝される。石に対する深い愛と学識に裏打ちされ、優しい語り口で紹介される「砂漠のバラ」、「火星の石」、「黄鉄鉱」、「ラピスラズリ」は、愛好家ならずとも思わず魅了される。「珠玉」のエッセイ。図版多数収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
81
化学式とか地質学、博物学などの専門的過ぎる事はなく、柔らかな語りで書かれているので大変、読みやすいです。最初が「宮澤賢治は石の大学士になれた筈なのに!」というコラムから始めるという粋に胸を打ち抜かれます。そして作者が修学旅行に合流する形で事前に岐阜の鉱場に行っていたという過去に微笑ましさを感じます。個人的に「タイム・マシーン」、「吉良上野介の墓」、「月とガラス」、「ブルガリア」、「名前をつける」が好き。2018/01/30
なつ
42
「なんでも鑑定団」で鑑定士を務めたこともある、鉱物界の権威による随筆集。「宮沢賢治が石を好きになった理由」から始まり、魅了されるエピソードばかり。鉱物が人にもたらした影響を知ると見方が変わってきますね。歴史や地理、文学といった知識からも幅広く論じられているので鉱物が好きな人はもちろん、自然科学や人文学が好きな人にもおすすめです。2021/02/13
Koning
41
堀さんの石にまつわる随筆集。鑑定団での活躍もさることながらやはりバッチリ科学者であった。ソ連に鉱物学で留学した経験も、世界中の産地やショウ、博物館を見て肌で感じた厚みと凄みがb伝わってくるのですよ。2018/01/16
そふぃあ
28
上野の宝石展を観に行く予習のために。古くは’70年代に書かれたトピックも含まれているので、記載の主要産地や諸々の状況が今と異なるかもしれないが入門として十分に魅力的な内容だった。私は鉱物学には疎く、本書ではさらっと書かれている”三方晶系”といったワードや鉱物の組成などの記述は都度調べながら読み時間がかかったが、見るだけで美しさに惹かれる鉱物たちの精緻な部分が垣間見え楽しかった。特に、ベリル族に含まれる微量元素が彼らを様々な色に染めたり、ガーネットは十数種もあることなど様々な知識が増え良い予習になった。2022/05/10
やいっち
25
感想というのではなく、本書の話題からスピンアウトした話題を明日のブログで書くつもり。砂漠のバラなど。2018/04/14
-
- 電子書籍
- BE FREE DX版2
-
- 電子書籍
- 【フルカラー】今夜、夫交換しませんか?…
-
- 電子書籍
- 恋のショック療法 まんがフリーク
-
- 電子書籍
- まほとおかしな魔法の呪文
-
- 電子書籍
- うわさの姫子(13) てんとう虫コミッ…