日本経済新聞出版<br> コメをやめる勇気

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日本経済新聞出版
コメをやめる勇気

  • 著者名:吉田忠則【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 日経BP(2019/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 420pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532356262

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内容説明

●コメ作りを前提とした農業では、日本に未来はない
   高齢農家が引退し、耕作放棄が急増する。このあまりに聞き慣れた危機が、本当に目の前にせまってきた。かつて先人たちが懸命の努力できりひらいた田畑が、荒れた原野にもどろうとしている。
 危機の根底に、兼業農家が中心の農業システムと、かれらがつくってきた日本の主食のコメがある。兼業モデルは、農業の経営と技術の進歩をはばんだという見方がある。
 これは、ある意味正しい。だが、会社や役場でもらう給与も合わせれば、かれらはそれなりに豊かで、高度成長期に都市と農村が分裂するのをふせいだ。兼業モデルは、日本社会の安定装置だったと言っていい。  だが同時に、それは「壊れたシステム」でもあった。
 利益が出ているのかどうかをかえりみず、採算無視でコメをつくる。この奇妙な仕組みが、需給ギャップを取り返しのつかない水準まで深刻にし、コメを中心とする日本の農業をピンチにおとしいれた。すさまじい勢いで加速する高齢農家の脱落は、新しい経営の拡大を上回り、だれも耕すものがいない農業の「空白地帯」を日本中に生む。
 一方、農政はまるで思考停止のように、コメにこだわり続ける。日本人がコメを食べなくなったと知ると、こんどは家畜が食べるコメを農家につくらせる。だが、これは補助金がなければ成り立つ可能性がゼロの「官製作物」だ。危機的状況にある財政に、補助金で農家を支える余裕はない。
 兼業だらけの農業システムはなぜ誕生し、どうして滅び去ろうとしているのか。目がくらむような米価の下落にあらがい、生きのこることができるのは、どんな経営なのか。そしてどうすれば、農地の荒廃をふせぎ、将来の世代に手渡すことができるのか。日本経済新聞編集委員が徹底的な現場取材と農政改革の分析に基づいて明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

22
兼業農家の問題として生産性を上げる意欲がない、イネ以外の作目に中々挑戦しない、コスト意識が低いことが挙げられている。著者としては、これら兼業農家の退場を推進し、専業農家の法人化、大型化を進めていきたいということだろうか。2018/06/23

いちろく

18
今の日本が抱える農業、特に稲作の問題が解りやすく書かれた1冊。他の分野以上に、これからますます高齢化が進み就労人口も減少していく日本の一次産業。農協を通さない企業のとの直接契約、企業の農業参入、六次産業化、高級品ブランドの確立等、新しい模索も進んでいるけれど根本的な解決には至っていない印象。日本の農業の状況が今以上に悪化するのは明らか。米も野菜も国産品が高級品になる日もそう遠くない未来。タイトルだけみて栄養学の本と勘違いし手にとった本でしたが、興味深く読めました。2015/10/23

乱読家 護る会支持!

3
雨の多い日本の気候は、単位面積当たりの米収穫量は世界でトップクラスであったが、灌漑技術の発達によりエジプト、オーストラリア、アメリカに抜かれた。雨の多い気候は、むしろ日照時間が短いというハンデになっている。国による補助金制度とそれを守る族議会が、農業の競争力を低下させた。アベノミクスが出した、減反廃止、農地改革、農協改革と、当初の志しが見えないTPP交渉。農を変えるかもしれない、女性の活躍と企業化。。。農のお話は基礎知識が無いので、著者のロジック、意図がよくわかりませんでした。速読よりは精読か。2015/05/15

Uzundk

3
著者は日本の農家における問題点を特に2つ強く語る。田んぼに対する過剰な補助金の罪として赤字のままで放置し畑にするなど戦略を取るインセンティブを奪ったこと、コメを守ると言いながら減反などで世界に対する競争力育成を怠ったことを強く批判する。兼業農家のメリットは戦後の戦略から始まる。下の世代は会社に勤め、年を経て親の畑を引き継ぐというモデルが当時存在した。農業への補助金は作物の価格を抑え、会社で働く人のコスト低減の効果も果たしていた。復興における格差の発生も抑える一手だが、米価の下落でその土台が崩れた2015/02/10

キャド兄さん

1
減反政策が終わるという話を聞いて読んでみました。農業の現状がよく分かりました。日本の食を担う農業について、国民一人一人がしっかり考えていかないといけないのだ。2018/04/17

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