内容説明
黒船がもたらしたエネルギー革命で始まる日本の近代化は,以後,国主導の科学技術振興・信仰による「殖産興業・富国強兵」「高度国防国家建設」「経済成長・国際競争」と,国民一丸となった総力戦体制として150年間続いた.明治100年の全共闘運動,「科学の体制化」による大国化の破綻としての福島の事故を経たいま,日本近代化の再考を迫る.
目次
目 次
序 文
凡 例
第1章 欧米との出会い
1 蘭学から洋学へ
2 エネルギー革命との遭遇
3 明治初頭の文明開化
4 シンボルとしての文明
5 窮理学ブーム
6 科学技術をめぐって
7 実学のすすめ
8 過大な科学技術幻想
第2章 資本主義への歩み
1 工部省の時代
2 技術エリートの誕生
3 帝国大学の時代
4 鉄道と通信網の建設
5 製糸業と紡績業
6 電力使用の普及
7 女工哀史の時代
8 足尾銅山鉱毒事件
第3章 帝国主義と科学
1 福沢の脱亜入欧
2 そして帝国主義へ
3 エネルギー革命の完成
4 地球物理学の誕生
5 田中館愛橘をめぐって
6 戦争と応用物理学
第4章 総力戦体制にむけて
1 第一次世界大戦の衝撃
2 近代化学工業の誕生
3 総力戦体制をめざして
4 植民地における実験
5 テクノクラートの登場
6 総力戦体制への道
第5章 戦時下の科学技術
1 科学者からの提言
2 戦時下の科学動員
3 科学者の反応
4 統制と近代化
5 経済新体制と経済学者
6 科学技術新体制
7 総力戦と社会の合理化
8 科学振興の陰で
第6章 そして戦後社会
1 総力戦の遺産
2 科学者の戦争総括
3 復興と高度成長
4 軍需産業の復興
5 高度成長と公害
6 大学研究者の責任
7 成長幻想の終焉
第7章 原子力開発をめぐって
1 原子力と物理学者
2 原子力開発の政治的意味
3 日本の原子力開発
4 そして破綻をむかえる
おわりに
文 献
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