夕暮れのマグノリア

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夕暮れのマグノリア

  • 著者名:安東みきえ【著】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 講談社(2018/03発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062139878

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内容説明

児童文学界からきらりとその姿をあらわした、美しく巧みな筆致の、新・ヤングアダルト小説。夕暮れ時、静かに目をこらして。ふしぎな世界はすぐそばにある。それはほんのいっときで消えてしまう。あらわれるのはきまって夕暮れ時。光と闇のまざる時間、生と死の境目がぼんやりするころ――。女子中学生・灯子の感受性がつむぐ、やさしさと不思議さに満ちた1年間。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nico🐬波待ち中

93
世界は見えているものだけでできている訳ではない。昼でも夜でもない夕暮れ時、異界との境界が薄れ不思議な事が起こることもある。亡くなった祖父がお別れを言いに来たり、悲しい伝説の二人が時を経て幻となって甦ったり。悩める中学生・灯子の周りで起こるちょっと不思議な出来事を巡る連作短編。確かに私も、学校帰りの夕暮れ時は訳もなく寂しい気持ちになることがあったっけ…。灯子の叔父さんが遺したマグノリア(木蓮)が、白くて丸い花に清々とした香りを漂わせながら静かに灯子を見守ってくれている。懐かしさと優しさに包まれた物語だった。2017/12/24

はる

69
夕暮れ時はたそがれどき。異界との境がぼんやりとする時間。中学生の灯子が出逢う不思議なものたち。一読するとちょっと怖いストーリー。でも本当の彼らの想いは切なく優しい。灯子が苦しい時、悲しい時、あたたかく見守ってくれていた。ひとりじゃないよ。読む人をふんわり、勇気づけてくれるような優しい物語でした。2019/11/12

ぶんこ

54
マグノリアが切られないですんだ最後の話を読んで、すぐに検索。 モクレン・コブシの事でした。 確かに黄昏時にコブシの白い花を眺めたら、この本のような静かで優しい妖しさを感じるかもしれない。 感受性の鋭い灯子さんには、形をなさないものが見えるいっときがありました。 それって中学生時代の自分を思い出すと、かなり羨ましい。 その見える事を、 自分の世界だけにとどめている灯子さんの奥ゆかしさが好きです。2015/03/24

よこたん

51
“おぼろげでやさしい影は、あたしのそばでそっとささやいたのだ。どこにも行ったりはしない。ひとりぼっちにしたりはしない。だからだいじょうぶだよって。” 黄昏時は逢魔が時、異界からそっと現れるのは怖いものばかりではない。目には見えなくても、感じるやさしい気配。ふと呼び覚まされる懐かしい記憶の欠片に涙が溢れる。私も、空を駆ける「りゅうぐうのつかい」に寄り添うひとに、マグノリアの樹の傍らに佇むひとに、いつの日か出会うことが出来るだろうか。そしていつの日か大切な誰かをそっと見守り包み込むやさしい影になれるだろうか。2018/03/16

エンリケ

48
時々不思議なものが見える少女が主人公。お話は彼女の周囲の人を巡る連作短編。少し内気な少女が日々感じる事が語られる。彼女が見たものは思春期の不安定な心が見せた幻影かも知れない。でもその現象は周りの人にも影響を与える。誰もが見えないものに守られていると信じたら、少しは生きやすくなるのかな。基本的にお話は優しいものばかり。切ないエピソードも有るが、少女達の無邪気さで中和される。お気に入りは最後のお話。古木のマグノリアが神秘的な力を示すお話。不思議な現象を好意的に捉える主人公はきっと優しく成長していくだろう。2017/02/06

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