内容説明
森深い別荘地で起こる怪奇な事件。100年で滅亡すると予言された一族の美しき令嬢。親友である彼女を、わたしは救えるのか!? ごく普通の家庭に生まれ育った文学少女、桑山ミラは、わけあってお嬢様高校に通っている。ひょんなことから、転校してきた美少女・深山サギリと仲良くなったミラは、深山家に代々伝わる呪われた予言を知る――。夏休み、静かな別荘地で、少女たちは恐ろしい事件に巻き込まれる。親友を守るため、ミラは懸命に奔走するが……。驚愕の展開が待ち受ける青春ミステリー。『山桃寺まえみち』の姉妹編。解説:千街晶之。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みすまりも
10
芦原さんの作品って、独特のテンポがあって好きだ。リズムと言った方がいいのかも。おどろおどろしい事件も、主人公の口調に救われる感じ。それにしても植木屋の頭してる女子高生って…(笑) 2015/07/23
nemuro
10
主人公の桑山ミラが、現役女子大生でありつつ、体調を崩した祖母に代わって居酒屋「福乃」を切り盛りしていたのが『山桃寺まえみち』。で、本書はその姉妹編。本書のミラは女子高に通う十六歳の少女。“親父少女”を自認するミラも、周辺のキャラクターも、実に魅力的で素敵な一冊でした。2013/08/04
ぶうたん
5
途中までは独特の語り口が魅力的な青春小説のような雰囲気なのだが、後半1/3で突如連続殺人が発生して内容が一変する。正直なところ、バランスが良いとは言えないのだが、語り口のせいで最後まで読まされてしまう。後半より前半が好み。アンバランスなところは人を選びそうな作品であった。2025/06/20
朝霧
5
語り口調がすごく楽しいなーと思いました。いやだいやだーっていろんな話題に飛ぶのが楽しかったです。この年のミラと話してみたいそしてぽんぽん会話してみたいなぁと思いました。2013/06/02
sheemer
3
「山桃寺まえみち」の、形式上は前日譚。だが、ほんわかユーモア小説の前者に対して、こちらはオカルト・スリラー・サスペンス小説、になるのだろう。前2/3はそれも思わせないユーモア系のゆるい語りで、それが作中で作者自身が宣言する最終1/3で化ける。ある古典文学を作家自身が跡付けながら書いた感じ。その古典自体を知っている身からすれば、成功しているともなんとも言いがたい。この人のユーモア感には惹かれるところもあるので、もう少しそちら方面を探索してみることにする。このテキストもネタバレとするかどうか迷うところ。。2019/03/17