- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「退け! 逃げよ。彼奴は人でなし。鬼じゃ!」――大将自ら、真っ先に敵陣の中へと踊り込み、瞬時に7人を斬り捨てる。漆黒の甲冑が一転して朱に染まるが、それにも飽き足らず、太刀が届く相手を次々と血祭りに上げていく。「鬼佐竹」「坂東太郎」と諸国から怖れられ、伊達・北条と互角に渡り合った常陸の戦国大名、佐竹義重。その鬼神のような戦場での働きは、下妻の追撃戦で北条軍2万を潰走させ、人取橋の戦いでは奥州の伊達政宗さえも討ち取る寸前にまで追い込んだ。最盛期には義重が戦場に姿を現すだけで、敵軍は戦わずして退いていくこともしばしばであったという。清和源氏の流れを組む関東屈指の名家でありながら、常陸の半分にしか勢力が及ばない「半国守護」として、長年屈辱を味わってきた佐竹氏。だが、義重の登場によって悲願の常陸統一を果たし、絶頂期を迎える! 守護職の誇りをかけて、乱世を戦い抜いた男の生涯を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maito/まいと
8
鬼義重の怖さを体験するほどには至らなかったけど、生き残り怖れられた勇将のすさまじさを知る1冊
穀雨
4
鎌倉以来の清和源氏の名門ということから、戦国時代の佐竹氏は相当有力なイメージがあったが、義重の治世初期には近隣の氏族の平定にも苦労していて、結構大変だったんだなあと思った。巻末の膨大な参考文献に表れているように、史実を重視した半分歴史書のような内容だが、人取橋の戦いの終結に義重正室が寄与したという点は作者のオリジナルだと思う。実家である伊達家を救うため陰に陽に動き回るその姿は、まさに戦国の女性という感じがした。2020/05/09
ゆうへい
4
良くも悪くもそれなりにまとまっていました。坂東太郎の再来といえる武将で、 そのように捉えています。合戦描写は淡泊であまり面白味が無いですが、存在としてはそこそこ出ていると思います。
BIN
4
寡兵を以て北条の大軍を破り恐れさせた常陸の雄、佐竹義重。あまり日が当たらない武将についてよく調べたものだと思います。某に感状を与えたという文がところどころにあり、小説として読む分には少しうざく、佐竹義重を知ると言う分にはいいものかもしれません。2011/01/07
MNK2
1
大河で佐竹親子を。戦国の一番濃い面白い場所・時だと思う。2015/03/22