いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃

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いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃

  • 著者名:ウェンディ・ブラウン/中井亜佐子【訳】
  • 価格 ¥4,620(本体¥4,200)
  • みすず書房(2018/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 1,260pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622085690

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内容説明

いまや新自由主義は、民主主義を内側から破壊している。新自由主義は政治と市場の区別を取り払っただけでなく、あらゆる人間活動を経済の言葉に置き換えた。主体は人的資本に、交換は競争に、公共は格付けに、だが、そこで目指されているのは経済合理性ではない。新自由主義は、経済の見かけをもちながら、統治理性として機能しているのだ。その矛盾がもっとも顕著に現れるのが大学教育である。学生を人的資本とし、知識を市場価値で評価し、格付けに駆り立てられるとき、大学は階級流動の場であることをやめるだろう。民主主義は黙っていても維持できるものではない。民主主義を支える理念、民主主義を保障する制度、民主主義を育む文化はいかにして失われていくのか。新自由主義が民主主義の言葉をつくりかえることによって、民主主義そのものを解体していく過程を明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

イボンヌ

14
フーコーやマルクスなど引用が多く難解でしたが、結びにある「絶望 別の世界は可能か」には、多くの憔悴気味のリベラルの人達に勇気を与えてくれるかもしれません。2018/01/05

どら猫さとっち

13
今トランプ政権で、アメリカは大きく揺れている。そればかりか、かつてないことが起きている。それは日本にも起こり得る。近年よく聞かれる「新自由主義」。それは、民主主義を壊すことに繋がった。どうすれば、民主主義は維持できるのか。黙っていてもできない、支える理念、保障する制度、育む文化がなければ、成立もできない。新自由主義と民主主義、どうやって向き合えばいいかが本書にある。難解ながら、考えなければならない。2025/09/27

ルンブマ

8
著者ウェンディ・ブラウンって、どことなく井手英策っぽい。いかにして民主主義は失われていくのか?その答えは、タイトルから分かるように新自由主義の見えざる攻撃によって、である。だが問題はそこまで単純ではない。複雑なのは、民主主義が民主主義を否定してしまう不思議である。冷静に考えてみると、民主主義の破壊が民衆側に不利なものであれば、もっと前に国民が批判していたはずである。しかし、現実は多くの国民が積極的に新自由主義思想を歓迎している。なぜなのか?2019/08/28

スターライト

7
新自由主義がどのようにして民主主義のシステムに侵食し崩壊していくのかを、78年~79年にフーコーがコレージュ・ド・フランスで行った講義録『生政治の誕生』を批判的に援用しながら論じた書。そこには市場と貨幣が政治的諸制度がますます金融資本と企業資本に支配され、人民による人民のための制度である民主主義が、金持ちによる金持ちのための支配にとってかわっていく過程が浮き彫りになっている。アメリカの4つの裁判例や、大学で進む企業の影響力の増大は、今まさに日本でも深刻化している問題だ。絶望することなく進むには厳しい。2022/06/14

GASHOW

7
民主主義は難しい。他国民が経済活動に参加して、他国に有利なようにロビー活動ができる。外国の侵略を想定しない日本では、水源を奪われたり、移民受け入れをなし崩しに許してしまう。制度の脆弱性なので防ぐことは非常に困難。2020/03/18

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