内容説明
還暦を迎える男は、半年のあいだに対照的な二人の死を経験した。享年83の母と、27歳の元部下。晩年の母を介護したのは、妻だった。その母はエンディングノートを遺し死に支度も調えていたが、なぜか60歳以前の自分史にはまったく触れていなかった。元部下は鬱病とも失恋の末の自殺とも言われていたが、真相は定かではない。ただ二人には共通していたが、後悔の念だけは伺えなかった……。小説にしか描けない、「終活」の真実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ち~
24
定年を間近に控えた正悟は元部下の27歳という若さでの自死に愕然とする。自殺の真相を調べていくとある重大な事実に突き当たる。同じ頃、妻の千穂は莫大な金額が絡む詐欺事件に巻き込まれていた。お互いが目の前の難題に精一杯で、相手を誤解し、絆は壊れていく。それぞれの過去が明かされ、ラストへ向けて物語は大きく動いていくが、最後の正悟の母が残したもう一冊のエンディングノートと千穂が記したエンディングノートを読んだ時、この本のキモに気づく。人生の選択において必要な事は、死を意識した時に初めて分かるのではないか?2018/04/26
カリン
7
母が子に「まっすぐに生きなさい」といっているにもかかわらず迷い回ってばかりで、主人公が言いたいこと、やりたいことが最後まで判らなかった。2018/05/08
やまさん
5
初読作家。ストーリー展開は部下の自殺の裏にある会社の不正を自らの葛藤の中にも正義を見出し暴く展開のストーリー。その着地点までには自らの生い立ち、妻との離婚、全ての終活整え終わって逝った母親等の側面の流れの中での展開は楽しめました。文中に出てくる「いくつになっても生き直しは可能」「夫婦は自分を写す鏡」「人間真っすぐに生きる事が大事」という母親三沢キク乃の言葉に自らも振り返って感じるものありました。「生きてること、全てが終活」って確信ついてるかも・・作家山本譲司さんの他の作品も読んでみようと思います。2018/04/08
decomo
2
話かあちこち広がり過ぎてどうなることやらーと思っていたけれど、なんとか落ち着いたって感じですかね。山本さんがんばって盛り込み過ぎたんじゃないかな。2018/08/01
はっぴ~
2
う~ん。2018/06/03