内容説明
これからの図書館は、情報リテラシーを導く機関としての社会的役割を、自覚的に担う必要がある。日本の教育制度と図書館の歴史を再考し、今後の課題を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまやま
12
真の情報リテラシーとは情報を探索し、評価し、それにより自分の問題を解決できる能力、またその能力をもって批判的思考を展開できることを指す、と書けばアクティブラーニングとか調べ学習といった類語を思い起こせるので、著者の主張ほどには日本社会に根付いていない発想法とも思えない上に、欧米の学校や図書館の社会における評価が日本の同じ組織に比較してそれほど高いか、と言えば若干疑問に感じることもある。まあ、図書館学という学問もできるだけ欧米の真似をすることが第一目標であったであろうし、価値観がそうなるのも不思議ではない。2021/06/12
kum
12
図書館勉強本。勉強したり本を借りるという従来の機能が変容しつつある図書館。ネットで何でも調べられると思っている現代こそ、情報の要否判断が大事。紙媒体、ネットともに仕組みを理解し正しく使いこなす本当の意味での情報リテラシー教育の必要性、日本の教育制度との関連を説く。情報リテラシー=ネット利用に関わることばかりではないことに、今さらながら目からウロコ。2019/05/07
軍縮地球市民shinshin
10
情報リテラシーのあり方について考えさせられる一冊。2019/09/02
双海(ふたみ)
7
レポートのお供に。要再読。2019/03/31
鳩羽
7
事実を情報として取り出し、加工、参照、比較、ときに批判的に見ることができるまでを情報リテラシーといい、単に文字を読むように情報を読むことを情報リテラシーという訳ではないのだろう。そのための図書館の役割を、日本のリテラシー高い歴史、教育現場を振り返りながら、市民それぞれの多様で高次のリテラシーのために方向転換捉が必要なのではと思わせる。2018/01/15