ベーシックインカムへの道

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ベーシックインカムへの道

  • ISBN:9784833422642

ファイル: /

内容説明

【内容紹介】
シリコンバレーから北欧まで、左派から右派まで
世界で爆発的な関心を集める所得再分配の手法
AI失業も経済格差も克服できるのか?
世界的論客による必読の一冊

(本文より)
この本は、ベーシックインカム(BI)への賛成論と反対論を一とおり読者に紹介することを目的としている。
BIとは、年齢や性別、婚姻状態、就労状況、就労歴に関係なくすべての個人に、権利として現金(もしくはそれと同等のもの)を給付する制度のことだ。
本書ではBIとはどういうものか、この制度が必要とされる根拠であるところの三つの側面、すなわち正義、自由、安全について論じ、経済面での意義にも触れる。
また、BIに対して唱えられてきた反対論、とくに財源面での実現可能性と、労働力供給への影響について考えたい。
さらに、制度の導入を目指すうえでの実務的・政治的な課題も見ていく。

【著者紹介】
ガイ・スタンディング
Guy Standing
経済学者。ベーシックインカムの啓蒙団体、BIEN(Basic Income EarthNetwork) の共同創設者、現共同名誉理事長。イリノイ大学にて労働経済学・労使関係論にて修士、ケンブリッジ大学にて経済学博士号取得。国際労働機関(ILO) エコノミスト、バース大学教授、ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院(SOAS) 開発学教授などを歴任。著書に『プレカリアート~不平等社会が生み出す危険な階級』などがある。ベーシックインカム賛成派を代表する論客。

【目次より】
はじめに
第1章 ベーシックインカムの起源
第2章 社会正義の手段
第3章 ベーシックインカムと自由
第4章 貧困、不平等、不安定の緩和
第5章 経済的議論
第6章 よくある批判
第7章 財源の問題
第8章 仕事と労働への影響
第9章 そのほかの選択肢
第10章 ベーシックインカムと開発
第11章 推進運動と試験プロジェクト
第12章 政治的課題と実現への道

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

76
ベーシックインカムあるある話。「財源はどうするの?」・「みんな怠け者になるんじゃないの?」とか。ただしそういうあるある話の前に欧米の政治思想の話が盛り込まれているせいか正直なところ読みにくかった。ベーシックインカムに初めて興味を持った人は小飼弾さんの本など読みやすい本から入った良い。統計資料がふんだんに盛り込まれているので法学部でも3,4回生・大学院生のガイダンスのような本。著者はベーシックインカム賛成の右派の人だと思うが学問として研究するなら、反対する左派の人が書いた本も読んでおいた方が良いと感じた2018/04/22

佐藤一臣

5
紀元前461年のエフィアルテス、1217年のマグナカルタまで遡ってBIをその中に見ようとする哲学的側面。1795年のトマス・ペインによる社会配当を権利と義務の一体相互主義から擁護する。2016年スイス国民投票の評価と財源シミュレーションのところは詳細が書かれていて良い。とくに企業に対する無駄な補助金や助成金を原資にするのはその通りと思った。政治的な実現までのステップや実験プロジェクトの進め方は現実的で参考になる。2021/12/29

TK39

3
最近?話題のベーシックインカムについて、理解を深めたいと読んでみる。主にヨーロッパ?での事例。 確かに金融危機、コロナ禍での量的緩和は大企業、富裕層をさらに富ませる結果につながり、低所得者層には恩恵は少ない。低所得層に富を循環させることは国内経済にカネがまわる、安定化することで前向きな投資につながるか。一方で生活保護を受けている人がパチンコにカネを使うなどのニュースを目にするが、これらは例外なのか?? ポピュリズムにつながらない議論を日本でも行う時期にきているかと。2020/08/24

Myrmidon

2
ベーシックインカムの勉強として。筆者はBIを貧困対策よりも主として社会正義(自由・公正・平等など)実現のための方策として位置づけているため、功利主義的な自分とは若干関心はズレる(筆者はBIにより人々の自己決定権や共和的自由が拡大するかなどを重視する)が、多くの実験結果に基づいた主張は説得力がある。ただ、やはり財源、政権からの独立性、長期的な影響の点で弱みがあるのは否めない。2018/06/01

たか

0
第8回読書会テーマ本。 すべての人に、無条件で、現金を、与える。という基本理念のうち、"無条件で"というのが社会の理解を得るのが難しそう。働かざるもの食うべからず的な人生観が根付いてる中で、権利は義務との相互主義にすべきではない、労働市場における労働だけではなく広い意味での仕事をもとに評価すべき、という主張は理解はできるけど、有権者を納得させられるだろうか。 2020/05/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12582400
  • ご注意事項

最近チェックした商品