ちくま新書<br> 行政学講義 ──日本官僚制を解剖する

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ちくま新書
行政学講義 ──日本官僚制を解剖する

  • 著者名:金井利之【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 筑摩書房(2018/02発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480071286

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内容説明

1990年代に政治主導に向けたさまざまな政治・行政改革がなされたのに、かえって今や為政者の恣意と統治者への忖度が蔓延してしまっている。我々は悪しき支配から抜け出せないのか。支配・外界・身内・権力の4つの切り口で行政の作動様式を活写。その実相を解明したうえで、現在の官僚制とのつきあい方の心得を提示する。行政に携わる為政者にとっての「行政学の教科書」ではなく、支配と権力にさらされる被治者を読者として想定した、公務員対策たる「行政学の基本書」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

13
陰陽五行っぽい政官業報学地の六角形という中二病的エンブレムが載ってたりするけど、全体は非常に充実した細密かつ読みやすい解説。政治や法律を問題に取り上げても実際に政策や法を運用するのは、政治家から構成される立法の府ではなく複雑で抽象的過ぎる巨大な行政のメカニズム。支配、外交、身内つまりコネや採用昇進制度、権力の四つの観点を見渡す記述では、かつて隣国を植民地化したものの敗戦によりアメリカ「本国」の中の「自治領土」になったとの前提で一貫して自治領土日本と呼び続ける強烈な諧謔をキメる。官僚の行政を知る始めの一冊。2018/12/31

Moloko

10
シニカル行政学。日米関係の描写は国際政治のリアリスト並にリアリズム。普通の教科書は理路整然とした理論を紹介した上で現実を単純化して明るい道筋を幾らか示すのが定番だが、この本は人権概念による自由の保障以外には具体的な「救い」を用意していない。あれもこれも理論的欠陥や重大なトレードオフがあると論じて、まるで殆ど「救いようもない」行政を描く。日米関係についての「自治領・日本」論は、アメリカ程の対外政策の自由度を望むのは高望みと理解すれば、現実的な見解の範疇で、その自治領的な非対称に目を瞑る方が不健全かと思う2018/05/27

バーニング

7
もうほんとうに金井節って感じ。本当にこの人の精密さはすごい。新書だからか、いままで読んだどの本よりも(金井さんの本としては)読みやすかった。2018/11/02

awe

6
筆者があとがきで書いているように、本書は通常の教科書的な行政学とは大きく異なる、金井独自の(ように私には見える)試論とでもいうべき代物で、結構難しかった。少なくとも新書という形で書かれた行政学の入門書では断じてない。とはいえ、相変わらずの金井節炸裂は痛快であり、内容も難解だがこれまで考えたことのない考え方・視点が紹介されていて非常に面白かった。以下興味深く思った点を何点か。まず1章「支配と行政」では、現代日本の民主体制の課題として、行政職員が一部の政治家の指揮監督しか受けていないという問題が提起される。2022/02/12

Masatoshi Oyu

6
行政とそれをとりまく様々な主体との関係を描くことで、行政とはどのようなものかを考えていく。一口に行政といっても、それ自体に様々な主体があるわけだが、政治と行政という意味では霞が関の官僚と政治の関係にフォーカスが当たる。ここでは、自民党がほぼ政権を独占している弊害として、官僚が党派性を帯びてしまい中立性が著しく損なわれているという指摘は重要であると思う。やはり健全に民主制を運営するためには定期的な政権交代は不可欠だ。2021/12/11

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