- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
2020年東京オリンピックの、メインスタジアムやエンブレムのコンペをめぐる混乱。それは、巨大イベントの開催意義について再考を迫る契機となった。そもそもオリンピックとデザインは、密接な関係にある。1964年東京オリンピックでは、日本のデザイン界が総力を結集し、各分野が連携を図り、統率のとれたデザインポリシーが展開された。その延長上に、1970年大阪万博でもデザインポリシーは発揮されることになる。本書では、戦後に「デザイン」という概念が定着していく過程から説き起こし、五輪と万博という巨大国家プロジェクトのデザインと、そこに貢献した丹下健三、亀倉雄策らの群像を追う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
148
戦争のため開催されなかった昭和15年、皇紀2600年記念の万博の入場券が、大阪万博(1970年、約3000枚使用)や愛知万博(2005年、約80使用)でも使用可能のチケットだったとは! 最大のおどろきだった。この年の五輪は「返上」され、万博は「延期」されたものだった。戦前・戦後の万博には「連続性があった」と、著者は強調する。大阪万博の太陽の塔がリニューアルされ内部が再び観覧可能となった現在、また、大阪万博の「進歩と調和」がスポットライトを浴びている。この問題を考えるヒントとなる最適の1冊だ。2019/11/28
msykst
14
日本に「デザイン」という概念を普及させたのは1960年に開かれた「世界デザイン会議」であり、そこではデザイナーのミッション、とりわけ社会的な責務について確認されたと。1964年の東京五輪と1970年の大阪万博はその概念の実体化をする機会だったと。本書では、丹下健三、亀倉雄策、勝見勝、岡本太郎の4人のスターがどう東京五輪と大阪万博の双方に関わったのかについて、著者の批評的判断を加えつつ、2020年の東京オリンピックの問題点をあぶり出す、というものかと。2018/10/28
ネムル
10
過去の東京オリンピックと大阪万博における建築・エンブレム・デザインに関わった人物が多く重複しながらも、東京では成功し大阪では迷走。その歴史と経緯を通して、2020年東京オリンピックの迷走っぷりを考察している。実のところ、今度のオリンピックには何一つとして期待してないのだが(いや、隈研吾は……)、以前は代々木競技場からピクトグラム等あらゆるものが突貫でありつつ、なぜ大成功という結果になったのかが気になって仕方ない。2018/03/09
元気伊勢子
8
オリンピックもそうだが、万博の方がドタバタだったそうだ。オリンピック、万博がきっかけで日本が変わったと思うと凄いな。今よりもずっとみんな熱狂してたのだろうな。意外だったのが、丹下健三は自宅以外住宅は、手がけてこなかったこと。2021/05/07
ぼっせぃー
2
「デザイン」「デザイン・ポリシー」という視点で東京オリンピックと大阪万博を繋ぎ、丹下健三、亀倉雄策、勝見勝、岡本太郎という立役者ひとりひとりにフォーカスを当てた2-5章は読み応えがある。しかし、取ってつけたような6.7章から、2020オリンピックのエンブレム&国立競技場騒動を扱った8章にかけて、筆者の私見の割合が多くなるにつれその陳腐さにちょっと冷めてしまう。勝見勝における1964年の成功と1970年の失敗や、太陽の塔とエキスポタワーというシンボルタワーの交代劇のくだりなど本当に面白かったのだが……。2021/08/16




