立身いたしたく候

個数:1
紙書籍版価格
¥792
  • 電子書籍
  • Reader

立身いたしたく候

  • 著者名:梶よう子【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 講談社(2018/02発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062938563

ファイル: /

内容説明

「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった。新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」を試みる!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やま

65
1000冊目。江戸は上野で瀬戸物屋を営む「つる屋」の五男坊の駿平が、御家人に婿入りして御役に就くために頑張る物語です。駿平17才は、商家の五男坊です。いずれどこかに婿入りするか、部屋住みとして兄に食べさせてもらうかです。それなら武家に婿入りしてもと安易に考えて、無役の百五十俵の貧乏御家人、野依家に婿入りする事になりました。野依家の娘もよは、十才です。まだ祝言を挙げるには早すぎます。もよは、駿平を兄さまと呼びなついていますが。女子の成長の早さに感嘆します。幼いもよに駿平は、尻に敷かれかねないです。→2022/11/08

タイ子

45
江戸版就活物語ってとこですかね。21世紀においても就活は大変だろうけど、この時代若いながらに家督を継いで家族を養うためお仕事探しに日々頑張っていたのですね。主人公の駿平は商家から御家人の元に養子にきたので武家のことに疎く、それを何かと助けるのが幼馴染みの智二郎。2人の仲を嫉妬する駿平の許嫁に笑ったり、就活中に出会う人たちがそれぞれにお仕事悩みを持ってたり現代にも通じるようで面白かったです。若者たちの未来に光あれ!2018/04/05

真理そら

29
立身するためにがんばる若者の話。だが、超高齢になっても隠居しないで地位にへばりつく人たちの話もおもしろかった。いつの時代も老人パワーはすごい。まだおにぎりもまともに作れないのに駿平に妻らしい口をきくもよちゃんがとても可愛い。2018/09/22

のんちゃん

28
外国船が日本の浦々に姿を現し始めた頃の江戸。商家の五男の駿平は貧乏御家人の婿養子となり、お役を求め、あらゆるお役の現場をめぐる。今も昔も各々のスキルの鍛錬や上役への賄賂まがいの根回しは必要で、情報も大事だ。駿平が幼馴染智次郎と見聞するお役を私も一緒によく理解でき、今までお役の理解が不足で苦手としてきた武家ものの時代小説も、今度から少しは難なく読めそうだ。登場人物皆に嫌味がなく、楽しく物語も味わえ、また、前述のように、お役も学べた、有意義な作品だった。2019/05/18

niisun

24
「無役武士のハローワーク」と言ったところ。商家の五男坊が、無役の小普請組の御家人家に養子に入り、当主になって就職活動に奔走するという話。武士であることが仕事だった時代は去り、泰平の世には仕事のない武士で溢れていた。今で言うワークシェアもかなり進んでいたが、それでも役より人が多い状況。しかも、仕事を獲るには文武の才よりコミュ力と運というから大変だ。遠い縁故との付合いや上役への付届けが何より重要。旗本や御家人がこんなことに忙しくては、西国の雄藩にも足下を掬われますな。サクセスストーリーではないのが良いですね♪2018/07/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12625644
  • ご注意事項