内容説明
山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。唯一生き残った少女には、首を斬られた少年が自分を抱えて運ぶ不可解な記憶があった。首無し聖人伝説の如き事件の真相とは? 探偵・上苙丞(うえおろじょう)はその謎が奇蹟であることを証明しようとする。論理(ロジック)の面白さと奇蹟の存在を信じる斬新な探偵にミステリ界激賞の話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bookkeeper
230
★★★★☆ 初読。信仰宗教の信徒30余名が死亡した凄惨な事件で、ただ一人生き残った女性。彼女は記憶が曖昧になっており、真相の究明を探偵に依頼する。 好敵手達が提示する「事件の真相」はどれも説得力十分で、女性にとって救いの無いものから、仄かな希望が感じられる物まで千差万別。推理を読んでいる間は正しいとしか見えないが、実は穴がある。探偵の反論を読んで「やられたーっ」(≧∇≦)と何度も楽しめます。奇蹟の存在を巡る特異なルール、クセの強いキャラクターとストーリー展開…読んだ事の無い読書体験が味わえます。2019/01/01
やっちゃん
172
ラーメンマンさえ使わない「〜アルよ」が最高におもろい。仮説を全て破棄して奇蹟を証明するという通常のミステリとはまるで違う構成。アホな私は言わば4通りの結末を楽しめたアルね。ミステリ玄人向けな趣向が多いので私を含めたライト層にはちょっと難しいアル。2024/02/03
ナイスネイチャ
171
ある宗教団体の集団自殺の唯一の生き残った少女の真相を解き明かすミステリー。奇跡であると結論付けて様々な登場人物の推理や可能性を不可能であると証明し、奇跡的であったと位置付ける新しい感覚の小説でした。探偵の「その可能性はすでに考えた」の決め台詞後のどう打破していくのか期待値MAXで読み進めました。続編も期待します。2018/08/29
naji
171
文庫化していたので早速読了。あらゆる可能性を否定していき、そこから導き出されるものは奇蹟か?面白く読ませて頂きました。2018/03/11
さばかん
161
その可能性はすでに考えた。 なんて魅力的なタイトルであろう。 とある摩訶不思議な事象に対し、様々な仮説を尽く反証してみせる。そう、その可能性は、すでに考えていたのだ。 ところがどっこいな結末だが、とても面白く楽しめた。 ただ一つ言いたいことがあるとすれば、なぜ第51回メフィスト賞受賞作であるデビュー作を先に文庫化しないのか、ということである。2018/03/21
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