内容説明
700万年に及ぶ人類史は、ホモ・サピエンス以外のすべての人類にとって絶滅の歴史に他ならない。彼らは決して「優れていなかった」わけではない。むしろ「弱者」たる私たちが、彼らのいいとこ取りをしながら生き延びたのだ。常識を覆す人類史研究の最前線を、エキサイティングに描き出した一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
311
この種の本を読むのは久しぶりなので、最初は知らない古生人類の名前に戸惑いも。サヘラントロプス・チャデンシスにアルカディピクス・カダッパ。何なのだそれは。やがてアウストラロピテクスが登場するに及んでようやく安心する。これこれこれだよ。ただしアウストラロピテクスにも何種類もあるのだが。我々ホモ・サピエンスの登場以前にも何種類ものホモ属がいたのだが、やはり一番の関心はホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)だろう。著者によれば、ホモ・サピエンスと共存した期間はわずかに3000年に過ぎなかったと⇒ 2025/08/03
starbro
227
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。更科功、初読です。専門的な内容ですが、文章が平易で比喩も解り易い良書です。「弱かったからこそ人類は生き延びた」とは・・・知的好奇心をそそられる一冊です。2018/02/15
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
122
「人類の祖先は数百万年前にアフリカで生まれ、その後進化し今の人類(ホモ・サピエンス)になった。」教科書では僅か数ページで書かれてしまうことだが、なかなか興味深い内容だった。走るのも遅く、鋭い牙もない。豊かな森林から終われた人類の祖先が、生き残ることができた理由の一つがゴリラやチンパンジーよりも「多産」であったからだというのも意外であった。ヨーロッパに進出したホモ・サピエンスが、直接的ではないにしろ僅か3000年の間に先住民であるネアンデルタール人を絶滅に追いやったというのもまた衝撃的な事実。★★★★2018/12/11
まーくん
122
人類の進化の鍵は直立二足歩行にあったらしい。最近読んだ類書に比べ本書はやや天下り的であるが、非常にわかり易くてすっきり理解できた。脳の発達についてもスマホ有料アプリを例えに上手に説明している。脳はエネルギー消費が大きく、その供給のために肉食が欠かせない。肉(金)が足りなければ、脳を小さく(有料アプリを解約)しかない。なるほど。ところで、無料アプリだけの自分って?友達は未だガラケーだが。そうか、彼らは「種」が違うのか!ライオンだ。脳は小さくとも肉はよく食う。焼肉好きだし(半可通)。後半は冗談です。念のため。2018/07/03
buchipanda3
119
ヒトとチンパンジーの系統が分かれたのが約700万年前。それ以降、数々の人類が登場したが生き残ったのは今の人間となるホモ・サピエンスのみ。ネアンデルタール人もアウストラロピテクスも絶滅してしまった。本書では、歴史とその経緯の推論が語られている。要は「子供を多く残した方が生き残る」ということで、食料を巡る競争力、集団社会の形成、伝搬力、多産と育児の対応が僅かな差でも時間と共に広がり一方が消えていった。その他、肉食となり消化の良さから腸への負担が減り、エネルギーを脳へ割り振れたなど体の進化の話も興味深く読めた。2020/09/01