内容説明
領地を荒らすグリフォンの群れを退治してほしいという、メリーボーン卿の要請に応えてやってきたのは五人の騎手。騎手といえば誇り高く高潔な人物……のはずだが、メリーボーン荘園の事務官の次女アリザと、龍の騎手アラステア・デアレッドの出会いは最悪だった。アリザが仲良くしている庭妖精たちと争いになってしまったのだ。なんて高慢ちきでいやな奴！ だが、グリフォンは大事な妹を殺した憎い敵。アリザは騎手たちのグリフォン退治に案内役として同行するが……。『高慢と偏見』×ドラゴンの世界を描いたロマンティック・ファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
55
3Dアニメ『ヒックとドラゴン』を観ながら、オースティン『高慢と偏見』を読んでいて思い付かれたと云う本書は、本歌取りした若き主人公たちの自意識過剰による文字どおり高慢と偏見と、登場人物による彩り豊かな愛憎劇がファンタシーの世界にバランスよく組み込まれて見処満載の愛と冒険の物語に仕上がっている。2019/05/19
星落秋風五丈原
47
『高慢と偏見』も何かとネタにされている。登場人物たちのキャラが立っているとこういうことができる。デアレッドはドラゴンを駆ってモンスターを退治する役どころなので、こちらは原作よりワイルド味を増している。ああそれなのにそれなのに、あの告白は唐突すぎる！ヒロインでなくても「えっ何でここで？というか君はいつ心変わりしたんだよ！」と突っ込みたくなる。他にも「これ、伏線として後で回収されるんだろうね？」と思っていた所がそのままになっているなど、原作に頼った部分がかなり多い。2018/04/26
しぃ
29
高慢と偏見×ドラゴン！がっつりファンタジーを読み慣れていないせいもあり、最初はどれが何を指している単語なのか訳分からんお手上げ状態でした。でも、高慢と偏見での登場人物と重ね合わせたり、あれこの人のキャラ毒抜いてるわなんて楽しんでいたらいつの間にか夢中になってしまいました。命を懸けた戦いがあるので、最後も本家と同じところに落ち着くとはいえハッピーエンドだ！とはならないんですが、面白かったです。何よりもドラゴンが素敵。なんならヒーローより素敵。しかし読み終わってみると、まだ解決してないあれこれが残ってる…？2018/06/18
かもめ通信
27
書評サイト本が好き！を通じてのいただきもの。「高慢と偏見」の舞台を古い種族と人間が共存する世界に置き換えたファンタジー風味のオマージュ。前提条件が多すぎてファンタジー好きでも手を焼くあれこれが、究極のネタバレ済みのわかりやすい展開と交わると、あら不思議！なんだかとっても良い感じに？！得手不得手、好き嫌いがはっきり分かれそうな作品ではあるけれど、私はこれ大いにアリ！かと。楽しみました！2018/04/17
hisa_NAO
27
恋愛小説の古典にして金字塔｢高慢と偏見｣の世界観･プロットに、龍とその騎士･ホブゴブリン等の幻想世界動物を持ち込んだ作品。 詳細比較したワケでは無いけど、基本プロットはほぼ同一と思います。なんせ200年以上生き延びた面白さ保証付き鉄板プロット。題名には｢高慢と偏見とゾンビ｣程のインパクトは無いけれど、内容は上、な気がする。あっちは、完全にパロディなコメディでしたしー。 本作、幻想世界との融合も上手くいっていて、楽しい読書時間でした。2018/02/20
