内容説明
戦後アメリカの対外政策の展開を,政権ごとに分析・考察したテキストの最新版。全体を見直すとともに,オバマ外交の8年を総括した,新たな章(第7章)を設けている。今なお世界の行方に大きな影響を与え続けているアメリカ外交の今後を考えるためにも最適。
※この商品は冊子版の版面そのままの電子書籍です。レイアウトを変更することはできませんので,大きなディスプレイを備えた端末でのご利用をおすすめします。
目次
序 章 アメリカの外交的伝統──戦前期の外交=佐々木卓也
第1章 戦後外交の起点──ローズヴェルト,トルーマン=西崎文子
第2章 冷戦の変容とアメリカの蹉跌──アイゼンハワー,ケネディ,ジョンソン=佐々木卓也
第3章 パクス・アメリカーナの揺らぎとデタント外交──ニクソン,フォード,カーター=佐々木卓也
第4章 冷戦終結外交と冷戦後への模索──レーガン,G. ブッシュ=上村直樹
第5章 新しい秩序を模索するアメリカ外交──クリントン=大津留〈北川〉智恵子
第6章 理念外交の軍事化とその帰結──G. W. ブッシュ=佐々木卓也
第7章 混迷する世界情勢と転換期のアメリカ──オバマ=西崎文子
終 章 岐路に立つリベラルな国際主義──トランプ=佐々木卓也
文献案内/戦後アメリカの大統領,国務長官ほか/関連年表/事項索引/人名索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TS10
10
第二次世界大戦からトランプ政権までのアメリカ外交の教科書的通史。個人的には、冷戦後のアメリカ外交の動向を体系的に知れたのが収穫だった。ソ連を主要敵国と想定して外交政策を形成してきた冷戦が終焉を迎え、アメリカは外交政策の軸を一時中東に傾けたものの、近年ではアジアへの関わりを強めている。また、デタントやイラン核合意など大統領の政策に対して議会が与えてきた影響の大きさが印象に残った。将来のアメリカ外交にとり、その影響は吉と出るか凶と出るか。2024/01/12
わび
3
前に読んだのは流し読みだったので、実質初読。戦後アメリカ外交史とは題されるものの、アメリカ外交に内在する理想主義的側面と現実主義的側面について建国期から記述を始め、戦後の各政権についておおよそ一章ずつ割きながら、終章で発足したばかりのトランプ政権への展望を述べる形で書は結ばれる。記述の内容自体はオーソドックスな教科書という感じであるが、オバマ政権の外交について専門家が総括している箇所は現時点では貴重である。現政権が多国間協調を軽視する中、オバマ政権の外交は理想と実績のバランスがとれていた印象を受けた。2019/03/26
緑のたぬき
2
非常に長かった。大学教養レベルの教科書的記述で素人にも比較的読みやすい。米国の建国理念とそれにひきずられるかのような国際介入、世界の警察思想が出てくる理由が何となく理解できた。戦中、戦後各大統領時代の政策、軍事支出、外交(おもに軍事介入)政策が概観でき勉強になった。2021/07/25
ラピスラズリ
1
世界大戦前後のアメリカ外交史の本。日本ではない特定の国からの視点での歴史は非常に興味深かった。特に、日本に原爆を利用した理由のひとつとして、ソ連が日本との戦争に参加しつつありその影響力を危惧して戦争を早期に終わらせる必要があるとアメリカが考えていた点は印象に残った。原爆を利用するのは論外ではあるものの、もし戦争が長引いていたらソ連に取られたのが北方領土だけではなかったかもしれないことを考えると不思議な気分になった。2022/08/11
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