内容説明
戦前最大のマルクス主義哲学者として、時代の傾性に徹底的に抗った戸坂潤の文章を集成。「性格」「時間」「日常性」などをめぐる原理論から執筆禁止直前の時評まで、戸坂を知る最良書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ex libris 毒餃子
7
マルキシストだが革命論者ではなく唯物論哲学者として、論述を展開していく。後半はマルキシスト的な批評が掲載されている。検閲で削除されたような箇所が生々しい。2019/02/09
しんすけ
7
面白い本だが読みにくい本でもある。原因は戸坂潤の全体像をここに集めようとしたからだと考えられる。戸坂潤は哲学者であっただけでなく、ジャーナリズムに通じた現世的な思想家だったからである。もっともジャーナリズムに通じたのは、彼の学的立場が脅かされることが明らかになった1935年以降の社会変化に対する止むに止まれぬ状況だったと観ることもできる。本書前半は、日本に潜む蒙昧な精神に挑んだ戸坂潤の姿が垣間見られ興味深い。特に「日常性の原理と歴史的時間」は時間の量子性を分析したものとして、貴重な論考となっている。2018/04/19
のぞむ
2
戸坂潤の著作から編者が抜粋した論文集だった。自由主とは経済的自由主義とその反動からくる文学的自由主義を腑分けしていたのは凄かった。戸坂は長野刑務所で敗戦前の8月9日に亡くなってしまった。彼が所属していた唯物論研究は大日本帝国のファッショによって検閲対象とされ解散を余儀なくされたがそのファッショを自局的に分析する勇ましさを感じた。戸坂の本全部読みたくなった笑。2023/08/30
-
- 電子書籍
- おやすみ前に、声を聴かせて 1 トレモ…
-
- 電子書籍
- アッシュ―大宇宙の狼 ―アッシュ・サー…
-
- 電子書籍
- 氷の王は人形の姫に愛を囁く 1話 アマ…
-
- 電子書籍
- さんぽガール 真礼采さん 原宿・代々木…