講談社文芸文庫<br> 獄中十八年

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader

講談社文芸文庫
獄中十八年

  • ISBN:9784062903684

ファイル: /

内容説明

敗戦直後の、あらゆる価値が崩壊したかに見えた世相にあって、徳田球一と志賀義雄の「獄中十八年、非転向」がどれほど眩しく見えたか。それは多くの若者や文学者が続々と入党したことからも明らかです。共産主義者としての来し方を述べた本書は、親しみやすい語り口もあってベストセラーとなりました。多分に政治的文書であると同時に、ある時代の息吹を伝えるすぐれた文学的回想として文芸文庫に収録するゆえんです。

目次

まえがき
徳田球一篇
小さな正義派
親孝行でとおる
小学校で最初のストライキ
七高生から代用教員
郡役所書記
ふたたび東京へ
米騒動に参加
司法官試補の二ヵ月
弁護士時代
日本共産党を組織
労働戦線統一と第二回党大会
早大の反軍教闘争
少年シンパ
市ケ谷でむかえた大震災
勉強室としての監獄
長老連の解党論と党の強化
三・一五に捕わる
佐野学らの裏切り
公判闘争
網走──氷のこんぺいとう
監獄領地の農業
監獄の花
お針と糸つむぎ
侵略戦争反対のたたかい
しいたげられているものがもっともよく理解する
親切な囚人たち
獄死した同志のことども
獄中の読書
お天気てんぐになるまで
千葉、小菅、豊多摩、府中
終戦の前後
むすび
志賀義雄篇
おいたち
中学生で米騒動に参加
一高入学──学生運動へ
三・一五
牢獄は革命家の試金石
はがねは鍛えられてできる
解党派まず屈服
公判闘争
佐野学らのうらぎり
こおりのなかで
サケ網をすく
トビとカラス
監獄の四季
戦争と監獄と坊主と
七年ぶりの春かぜ
アサリ汁と手錠
佐野、鍋山にあう
予防拘禁所
空襲下に
「人民管理」は拘禁所でうまれた
自由の扉
解説  鳥羽耕史