新潮文庫<br> ねじの回転(新潮文庫)

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新潮文庫
ねじの回転(新潮文庫)

  • 著者名:ヘンリー・ジェイムズ【著】/小川高義【訳】
  • 価格 ¥539(本体¥490)
  • 新潮社(2018/02発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784102041031

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内容説明

イギリス郊外に静かに佇む古い貴族屋敷に、両親と死別し身を寄せている眉目秀麗な兄と妹。物語の語り手である若い女「私」は二人の伯父に家庭教師として雇われた。私は兄妹を悪の世界に引きずりこもうとする幽霊を目撃するのだが、幽霊はほかの誰にも見られることがない。本当に幽霊は存在するのか? 私こそ幽霊なのではないのか? 精緻で耽美な謎が謎を呼ぶ、現代のホラー小説の先駆的な名著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

175
田舎屋敷に美しい兄妹の家庭教師として雇われた娘は、自分にしか見えない幽霊から二人を守ろうと立ち回る。これで語り手の主観のみで進行するという怪談の常套的な語り構造で、綻びがまた絶妙。特徴的なのが謎多き兄妹や幽霊の希薄な存在感に対して、語り手の恐怖が克明に描かれている点。この不気味なアンバランスは幽霊の存在に対する議論を端から傍に退けているように感じる。前半は迂遠なやりとりが多いが、後半は「思わぬ急転」を見せてねじの回転は一捻り、二捻りと加速。登場人物の階級に着目すると最後の一文は時代変化を象徴するかのよう。2022/01/01

青蓮

118
イギリス郊外にある古い貴族屋敷に家庭教師として派遣された「私」。そこには両親と死別した眉目秀麗な兄と妹が暮らし、穏やかな日々が過ぎていく筈だったーーそれ程長い物語ではないが、濃密で難解だった。幽霊は本当にいたのか?果たして語り手である「私」は真実を語っているのだろうか?それを思うとマイルズが言った「現実が見たい」という言葉がとても重要な意味を帯びてくるように感じる。自分が見たものでしか「現実」は立ち現れず、それは時として知覚者の都合の良いように歪んでいく。タイトルの「ねじの回転」も意味深長。また再読したい2018/01/31

ねりわさび

99
前世紀に著作されたホラー小説。当時の流行の為かほぼ主人公による一人称単数による独白で構成され、クセが強い文章が続く。亡霊の描写はとてもよくできているのですが舞台劇のような展開が続くのでラストまで今一つ物語に入り込めない。S.キングは絶賛しているのでファンの方はお読みになれば良いと思います。2023/01/12

mocha

99
噂に違わずわかりにくい作品だった。家庭教師の妄想という解釈が多数を占めているようだが、それにしても腑に落ちない部分が多い。主の頑ななポリシーや放校処分の理由、何よりラスト一文。文字通りの意味なのか、比喩なのか・・?終始漂う不吉な雰囲気に引っ張られて読み進めるも、幽霊の正体を見極められずもどかしい。松岡正剛氏の解説を読んで、この作品の「位置づけ」だけはわかった。https://1000ya.isis.ne.jp/0429.html2019/09/01

マエダ

76
語り手が幽霊を敵とする自作自演をしていることは間違いないと訳者は言っている。もし幽霊がでたのだとしてもうっかり出たばかりに利用され実際以上の悪玉に仕立てあがられている。2018/08/13

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