内容説明
大ベストセラーとなった『サンダカン八番娼館』の著者の波瀾に満ちた自伝。顔を切られるアクシデント、朝鮮人青年との結婚と別れ、そして再婚・出産を経て女性史の道へ。どんな困難にもめげずに自立し続けた女性の半生。解説・城戸久枝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
2
山崎朋子の自伝。かなり自身の来歴を事細かに表現しているので、自伝系にありがちな自己満足に終始してない点が好感を持てる。勿論、作中に若干の自慢は含まれているが… 彼女の人生が作品にどう投影されているか、是非その著作を読んでみたい。2018/05/19
柳田
0
おそらく2017年ベスト本。すさまじい人生だが、華やかで羨ましくもある。山崎さんの志がひしひしと伝わる。 『サンダカン八番娼館』を先に読んだのだが、そちらは質的調査の授業の文献として読まされた。今からみれば研究倫理的にいろいろまずいのだろうが、最初の、おサキさんとの邂逅の場面が一番面白かった。2017/12/19
Ich_co
0
ノンフィクション作品『サンダンカン八番娼館』著者の自伝。数年前にサンダンカンを読んで衝撃を受け、いったいどんな筆者がこんな取材をなしえたのだろう……と思っていたところ、たまたま本屋で(本当はライトなエッセイを買おうと思ってた)見つけて一気に読破。顔を切られるシーンからの驚きの冒頭、最初の結婚相手のその後の行方、再び家庭を持って以後のひとつひとつの選択。どれも今、わたしが読むべき話だったように思えてならないし、一方で読んだことをこうやって記録に残すかどうか戸惑う一冊。16年も前なのか。2017/09/18
あおい
0
サンダカン~”で時折出てくる”顔の傷痕のこと”が気になって読了。いやあ波瀾万丈。。。サイコにヤられた傷とトラウマ、母との確執、K国人との結婚(時代的に許されず事実婚)←時系列は前後する。そして児童文学の上氏と出会い結婚~女性史研究家を歩み始め、サンダカン成し遂げるまで。。。これはそうとう壮絶な波瀾万丈、よく耐えれた、そして良い人すぎ。サンダカン同様にこちらも読んでて辛い、かなり。2020/07/20
Arte
0
『サンダカン八番娼館』の著者の自伝。農地改革で貧しくなった田舎の旧家出身で、父は事故で死亡、毒親の母に育てられ、因習的な北陸から上京して、朝鮮総連の前身団体の活動家と知合い結婚するが、日本人妻排斥の風潮があり別れ(その直前に強姦未遂に遭い)、前科者のストーカーに顔を刺され、児童文学研究者の夫と結婚して、『サンダカン八番娼館』を出版するまでの話。2019/09/01




