岩波科学ライブラリー<br> 犬のココロをよむ - 伴侶動物学からわかること

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岩波科学ライブラリー
犬のココロをよむ - 伴侶動物学からわかること

  • 著者名:菊水健史/永澤美保
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 岩波書店(2018/02発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 390pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000295994

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内容説明

あなたの愛犬への接し方は間違っていませんか.犬は言葉を交わせなくても,あなたの意図を全力で知ろうとしています.こうした犬のコミュニケーション能力の研究は始まったばかりですが,人間の認知の研究にも大きな影響を及ぼしつつあります.誰でもできる簡単な観察実験とともに,その最先端の成果をわかりやすく紹介します.

目次

目  次

 1 犬との生活を始める
   古代人も犬を飼っていた/犬との生活をスタートさせるまえに/犬にもみんな個性があります/犬と人に共通する病気の遺伝子/その子犬はどこから来たの?/犬の気持ちを大事に育てよう/犬は自分で身のまわりを選ぶ/子犬にとって大事な三つのこと
  《コラム》ローレンツが愛した犬
  《コラム》幼少期における母親の影響
  《コラム》飼い主は犬にとっての“安全基地”

 2 犬の感覚を通した世界
   驚異の犬の嗅覚/犬はなんの匂いを嗅ぎ分けているのか/犬の聴覚は人に似ている/犬の優れた動体視力/犬の社会性を目の構造から理解する/なぜ人は犬の目に魅せられるのか/黒目と白目があるのは共同生活のたまもの/未だ明らかになっていない不思議な犬の能力/犬は三日の恩を忘れない/実験に見る記憶能力
  《コラム》犬の帰巣本能実験

 3 犬の驚くべきコミュニケーション能力
   クンクンとキャンキャンの区別/音の大きさと体の大きさ/ことばでつなぐ/犬のボディランゲージ/犬の顔の表情/尻尾の揺れでわかる好き嫌い/殺処分される犬たち/飼い主は特別な存在か/飼い主を見分ける/人の表情をよむ犬/人の視線をよむ/進化過程で獲得した犬の人をよむ能力
  《コラム》「群れ」の誤解
  《コラム》犬は空気をよむ?
  《やってみよう》中から聞こえてくる声は?
  《やってみよう》利き手はどっち?
  《やってみよう》飼い主の姿を思い浮かべる
  《やってみよう》指差しで正解を教えよう
  《やってみよう》ボールをどこに持ってくる?

 4 犬の「ココロ」の起源を探る
   犬はいつから犬だったのか/オオカミに近い柴犬/三万年前から飼われていた犬/犬と共にベーリング海峡を渡る/犬のネオテニーという進化/ギンギツネの実験からわかったこと/犬の自己認知/犬の他者理解/見つめ合うココロ/三項関係(自己─対象─他者)/模倣という知性/犬にもうつるあくび/共感のさまざまなレベル/不平等が嫌い/犬と人との共感は存在するのか
  《コラム》鏡を怖がる犬
  《コラム》他者の知識状態の理解「ここほれ,ワンワン」
  《コラム》チンパンジーの協力行動
  《コラム》閉じ込められた仲間を救出!
  《コラム》犬は飼い主の状態に敏感
  《やってみよう》マークテスト
  《やってみよう》“help me!!”

 5 犬と人を絆ぐ
    「収斂進化仮説」/人も家畜化した/ネアンデルタール人はなぜ滅んだか/犬との共生で進化した現代人の能力/遊びごころと脳科学/目と目で繋がり、心が絆がる/オキシトシンというホルモン/オキシトシンと社会性/社会緩衝作用と犬との共同生活/犬はよき人の伴侶
  《コラム》笑いについて
  《コラム》視線をつかったコミュニケーション
  《コラム》親子関係を支えるオキシトシン
   あとがきにかえて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

130
タイトルは、やや誇大広告の感を免れない。つまり、本書を読めば、犬はこんな風に考えていた、あるいは感じていたのが分かるかと言えば、そうはいかないからである。もっとも、読後には犬をもっと大切にしようという気にはなる。「伴侶動物学」という分野があることは知らなかったが、ここで紹介されている研究成果からは、さらなる可能性を感じるものである。犬の認知能力にも驚くし、また、犬と共生し繁栄したホモ・サピエンスと、共生を選ばないがゆえに滅んでいったネアンデルタール人といった仮説など興味深い知見も随所に披露されている。2014/10/17

アキ

83
著者は2015年Scienceに「ヒトとイヌの絆形成に視線とオキシトシンが関与」を発表した犬研究の第一人者。犬と人との共生は約5万年前から1万5千年前頃からで、現在400種以上を超える犬種が存在する。犬種特異性についての行動リサーチをC-bargとして世界中で解析している。犬の視神経には赤色光に反応する細胞がなく赤い色は識別できない。DNAの解析で生物学的に犬とオオカミが同じ動物種であり、3万年前の洞窟からイヌ科動物の化石が発見された。犬も人も幼形成熟ネオテニーが共進化したのではないかなど興味が尽きない。2021/12/12

びすけっと

11
2012年11月刊。遠征先図書館出会い本。太古から人に飼われて多様な品種に変化分岐を重ねて来たことがわかりました。鼻がへこむほど、しっぽが丸まるほどオオカミの血が薄れ、人との共生する動物になって来たことが興味深かったです。様々な実験から犬の気持ちが解き明かされていてこれもおもしろい。チンパンジーにはない、人に似た認知能力を持つ犬。そばで観察できたら、おもしろいだろうなあ。2015/08/09

calaf

11
私的には、猫よりは犬の方が馴染みが深いです。ペットを飼いたいかどうかは微妙ですが、飼うなら犬か金魚あたりかな...それにしても、犬は人間と互いに影響を与え合いながら生きてきているのですねぇ...2012/12/13

みなみ

9
犬を飼っている人には肌感覚でわかるかもしれない。犬には社会性があり、飼い主の表情がわかり、言葉を聞き分けることができる。犬と一緒にいると癒やされストレスから回復する。そんな犬は人類の進化の過程でいつから一緒に過ごしているのか。あるいは犬の持つずば抜けた能力(たとえば嗅覚)を実験によって実証する。犬について科学的に知ることができる。出来るなら飼ってみたいところだが我が家は賃貸……岩波科学ライブラリーはKindle読み放題に何冊も入っておりこれもその一冊。コンパクトに読めて勉強になるのが良いシリーズだ。2023/09/19

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