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内容説明
▼働き方改革の根底に潜む問題を壮大なスケールで展望!
著者は現代の労働市場で最も顕著な問題を「正規の世界と非正規の世界の不釣合いな関係」と捉え、富国強兵からシャッター商店街に至る1世紀余りを労働経済学・数量経済史・法と経済学など多彩なアプローチ・分析手法を用いて概観。
現在から未来へとつながるわが国の働き方のトレンドを展望する渾身の力作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
29
難解な学術書なので、素人は序章のみで充分です。「日本の労働市場を巡る議論は部分と全体の関係が整序されずに進んでしまった」とする問題意識には賛同します。例えば派遣労働者問題。最多時で160万人しかいなかった。非正社員の1割弱なのに、世間は大問題としてとらえた。また、非正社員が増えて減ると思われていた正社員は実は減っておらず、自営業者が減った、とする指摘は目から鱗です。正規と非正規。二つの社会の前提となってきたのが「労使自治」。それを維持するのか、第三者の介入を積極利用するのか。分岐点にさしかかっていますね。2018/06/25
おせきはん
11
勤続5年以上の被用者の長期雇用慣行は大きくは崩れていないこと、自営業セクターの縮小に伴い非正規被用者が増加してきたことなど、イメージで捉えがちだった雇用問題が実証的に分析されており、興味深い内容でした。2018/05/29
Mc6ρ助
10
自営業が減ってその従事者が非正規社員に、一方、特に男性の非正規社員の長期雇用慣行は全く揺るいでいない・・。『日本的雇用慣行の重要な要素である雇用保障・賃金・企業特殊熟練という三方向からみると、職場のコアと密接に関連するのは呼称上の正規・非正規の区別であって、労働契約上の有期・無期の区別ではない。日本において「正規の世界」と「非正規の世界」を分かつ分水嶺は、労働契約上有期契約なのか無期契約なのかではなく、職場で正社員と呼ばれるかどうかなのである。以上の発見はそれ自体重要である。(p165)』重要なのである。2018/05/01
contradiction29
1
正規の世界は頑健に存在する一方、被用者の世界そのものが拡大し続けた裏には、非正規の世界の拡大があったーそのことを計量経済学的、法制度的な側面から整理しながら論証していく、という感じ。計量の知識が多少あると読みやすい。日本の労働市場、特に正規・非正規雇用、いわゆる「日本的雇用」と呼ばれるものに対するこれまでの研究を整理したもの、という側面もかなりある。正規/非正規の実質的な区分を作り出しているのは、雇用期間限定の有無というよりは「呼称上の区分」だった、という箇所が印象的だった。 2020/12/13
takao
0
ふむ2018/01/12