悲劇的なデザイン - あなたのデザインが誰かを傷つけたかもしれないと考えたことはありますか?あなたのデザインが誰かを傷つけたかもし

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悲劇的なデザイン - あなたのデザインが誰かを傷つけたかもしれないと考えたことはありますか?あなたのデザインが誰かを傷つけたかもし

  • ISBN:9784802510783

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内容説明

人が触れるモノやサービスを作る全デザイナー、特に美術教育を受けた者に捧ぐ。
新時代のデザイナーのためのリスクマネジメント・ガイドブック。

今、デザインは社会において大きなインパクトをもった。そして明らかになってきたのは、デザインには物事を革新する良い力だけでなく、人を「殺し(第1章/第2章)」、「怒らせ(第3章)」、「悲しませ(第4章)」、「疎外感を与える(第5章)」力がある。
命を奪いかねないインターフェイス、怒りをあおる失礼なテクノロジー、思いがけず悲しみを呼ぶ仕様、多様性や公平さの欠如により人を排除するプロダクト……。過ちは、どうすれば避けられるのか。本書では、実際に起こったデザインによる悲劇と悪影響を紹介し、そこから大切な教訓を引き出していく。さらにこうした事態を防ぐための具体的な方法、デザインの担う責任が大きい製品開発にかかわる専門家のインタビュー、デザインで社会をより良くする取り組みを始めている例を挙げる。

Airbnb / Airbus A320 / Amazon.ca / Apple Mail / Apple TV /(中略)/ Twitter / UX Booth / UX Magazine / WordPress / Xbox ... など事例多数。

デザインは人を傷つけることがある。物理的に、あるいは精神的に。ところがデザイナーは、自分たちが振るう力やその仕事に責任がともなうことに無自覚な場合が多い。

メディカルスクールでは、まず「とにかく人を傷つけるな」という大原則を教わる。学生たちは、医師には人命を左右する大きな力があるという事実を心に刻みつけるだろう。一方、我々がデザインスクールで最初に教わるのは、物を描く方法であり、学生たちが思い悩むのは、本当の美しさとは何かだ。自分の作品が他人に与える影響を観察したり、そこに人の命を左右する大きな力があることを実感する機会はほとんどない。

人間が心に抱く感情は複雑で多岐にわたる。流行りの「共感に基づいたデザイン」とは正確にはどういう意味で、デザインを通じてどんな感情を引き出したいのだろうか。「目的とする気持ち」「無視する気持ち」を取捨選択してデザイナーが作る体験は、“現実の世界で、現実に生きている人たち”に影響を与える。

自分の仕事が誰かの命を奪ったかもしれないと、みなさんが最後に思ったのはいつだろうか。この本のねらいは、採用したデザインの影響も考えずに、仕事が終わったと思い込むデザイナーの数をゼロにすることにある。実社会でプロジェクトに失敗したら、どんな事態になるのかという視点を与え、ユーザーを守るために応用できるツールやテクニックを伝え、難しい状況でも公正な決断を下せるようにする。

デザイナーはテクノロジーの門番だ。悲劇的なデザインをこの世からなくせるかは、私たちの手にかかっている。優れたデザインのある世界を実現できるかは、すべてあなたの一歩から始まる。

さあ、デザインを使って世界をもっといい場所に変えていこう。


“革命はまだ始まったばかりだ。シャリアートとサヴァール・ソシエによる本書は、デジタル時代における真に「インクルーシブな」デザインを推進する運動の土台となるだろう”
─ジョン・マエダ(Automattic社 コンピュテーショナル・デザイン&インクルージョン部グローバル本部長)

“『悲劇的なデザイン』は、思慮深いデザインが明るい変化をもたらし、より意義のあるプロダクトを生み出すと教えてくれる”
―アンディー・ロウ(Netflix社 モバイルプロダクト・デザインマネージャー)

目次

第1章 イントロダクション
第2章 デザインは人を殺す
第3章 デザインは怒りをあおる
第4章 デザインは悲しみを呼ぶ
第5章 デザインは疎外感を与える
第6章 ツールとテクニック
第7章 私たちにできること
第8章 手本になる組織

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

44
デザイン。とても広い概念の言葉。主に、ソフトウェアや、インターフェイスを通して語られている。ユーザーを考えているといいながら、実はそうでないのが多い。もちろん、万人に・・・というつもりはないが、そもそもの視点を再考する。つもあり、そこにある、その向こうにある人との関わり方をどう考えるかだと思う。流行り廃りに流される姿勢とは、真逆のものが必要。2024/02/21

くさてる

26
デザインが誰かを傷つけるってどういうことだろう、と思って手に取ったのだけど、具体例も多く、分かりやすい内容だった。使いにくいデザインのせいで人が死に追いやられること、事故が起きること、一部の人間を排除するようなデザインのせいでより大きな顧客を逃すこと、思い出したくもない出来事も浮かび上がらせてしまう残酷なシステムなどなど。ユーザー目線って何だろう、というところまで含めて、面白かったです。2023/05/14

sakakendo

8
わかりにくいUIの害だけではなく、テクノロジーの礼儀正しさの話もしているのが面白い、怒りを煽る失礼なテクノロジーは自分勝手で怠惰で食い意地が張っていて構ってほしがる。礼儀正しくするには、ユーザーに許可を求める、選択肢を提示したり、説明することが大事2020/05/21

ロベリダ

5
事例を用いながら、「分かりづらい」「悪意のある」デザインとはなにかを理解出来た。学びは大きく3つ。 1.ユーザビリティが低いと、離脱のみならずユーザーへの被害を及ぼすこと。特に医療や運転など、即時の判断が求められるものに「分かりづらさ」があるのは致命的。 2.ユーザーはプロダクトに「人間性」を感じること。上から目線の言葉や、「こうしろ」という暗黙的な圧など、プロダクトを通して造り手の人間性を感じ、嫌悪感を抱く。 3.使う人の声を聞くこと。作り手は特にバイアスに囚われる。率直に話を聞く機会を作るべし。2023/05/13

Koki Miyachi

5
分かりづらいインターフェイスが悲劇を呼ぶことがあるという主張。それはよく分かるけれど、一冊の本を通じて論じるほどのことではない気がする。せめてそれに対する逆提案があれば説得力があったのに。問題提起→事例→論旨のまとめ→インタビューというアメリカ人が書くハウツー本の定型的な構成にも萎える。2018/04/10

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