内容説明
どうして私はこんなに生きづらいんだろう。母から、男から、世間から受けてきた抑圧。苦しみから解放されたくて、闘いつづけているうちに、人生の半分が終わっていた。自分がラクになるために、腹の底からしぼりだしたもの――それが“私のフェミニズム”。自らの体験を語り、この社会を覆い尽くしている“構造としての女性差別”を解き明かす。すべての女性に勇気と希望を与える先駆的名著。(解説・山内マリコ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
100
自らの生い立ちを起点に女性が差別される日本の社会構造を追求する。女側にしか存在しないとする性差別論やジェンダー二元論は時代性と共に私情も感じる。言及は社会モラルや美意識にも及ぶが、起点が過剰な自意識に基づくので一事を万事と見る突飛な憶測も多い。差別を差別と思わない人にもわかりやすく書いた点が魅力なのだろうが、表面的な観察からの断定は学術的にマイナス。資本主義への加担推奨は格差是正がある次元に達すると再び現前する問題。海外を引き合いに出すなら何故に日本が遅れを取るのか的を絞った分析をした方が有意義だと思う。2024/06/15
ヒデミン@もも
41
多分、昔読んだことある。田嶋陽子さんのイメージが変わる。フェミニズムというと、私の中ではイメージがよくないが、ジェンダーというと良くなるのはなぜか。田嶋さんにも娘の母となって親心を分析して欲しかった。解説は山内マリコさん。2020/03/06
ゆきらぱ
40
語り言葉でわかりやすいフェミニズムの本です 恐ろしいほどに芯を突いてくる。女は家事育児の奴隷。本当にそうだと思ったり、しかし奴隷の仕事の割には育児の時代にそれまで味わった事がないような幸福感があったのは一体なんだったのと思い返したり。視野が広がるのでまた読んでみようと思います2020/05/14
ネギっ子gen
40
【発掘再読本】ちょっとした田嶋陽子ブームらしいじゃないですか。この初版本が出たのは、もう四半世紀も前ですか……。その際は、題名に惹かれ速攻読んで感激したものだが、今はもう化石本かな~と思いながら読み直すも、いやいや、これはまだ現代に十分通用する内容。時代はちっとも進んでいないというか、時代が田嶋陽子に追いつきましたかね。さて、あたしゃ単行本だが、今度の文庫化ちょっと違うところがあるようで。単行本には写真がふんだんに掲載されています、はい。日常の様々な表情、照れ臭そうにお茶目なポーズを決めた写真などなど。⇒2020/01/27
❁Lei❁
32
フェミニズム思想に目覚めた折、Twitterでこの本を見かけて購入。本当に買ってよかった、私の人生のバイブルです。幼い頃から不思議に思っていた、親や周りの女の子の言動、社会的風潮、それらの謎が一気に解けました。諸悪の根源は男が作り出した男尊女卑社会。読んでいて、女子に生まれただけでこんなに差別されなければならないのかと悲しくなりましたが、それ以上に辛いのが、30年ほど前に書かれた本書の内容が、今に至っても色褪せていないということです。私は差別には絶対に屈さず、真っ直ぐに自分の人生を生きていくと誓います。2020/04/11