夏井いつきの「雪」の歳時記 見て感じて愉しむ冬の季語

著者名：夏井いつき【著】

世界文化社（2018/01発売）

• ISBN：9784418172559

内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

冬の季語・「雪」は季語の王様。「六花」「銀花」「風花」をはじめ、実に多様な季語で表現できます。本書は、雪とその関連季語を、美しい写真と名句で展開するまったく新しいビジュアル版歳時記。雪のさまざまな表情が手にとるようにわかるとともに、その広く奥深い世界を丸ごと堪能できる雪づくしの一冊。雪の発生のしくみや本質を専門家が解説した「雪の秘密・気象の不思議」も充実。俳句心くすぐる、夏井いつきが本当に作りたかった本！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[肉尊]

南国育ちの私にとって、雪のある暮らしというのはあまり実感が湧きません。それ故に何か特別な幽玄の美を以て見つめてしまうような、一種の距離感があります。「月」編では随分共感できる句が多かったんですが。「雪とけて村一ぱいの子どもかな」（小林一茶）こういう無邪気な気持ちだと共感しやすい。ひょっとして「雪」の句は人を選ぶんじゃないかとそういう気持ちになりました。それにしてもこのシリーズの写真の美しさときたら絶品です。

2022/12/18

[ひめありす＠灯れ松明の火]

夏井先生の俳句百年プロジェクト。現代版「春はあけぼの」ですね。まずは冬の雪。お気に入りは「狼の声そろふなり雪のくれ」どこなんだろう。広くて平らで、寂寥感溢れる。空間の広がり。「うしろより初雪降れり夜の町」クリスマスだな。お父さんやサンタさんの道行を後ろから見守る初雪の白。「点字器に波打つ紙や六花」これすごく好き。点字の六個の点と雪の結晶の六角がうまく組み合わさっている。内と外の静かさと人を思いやるあたたかさの調和。「雪月夜すきとほる三半規管」これも結構好き。すきとほるという言葉の美しさ。文字だけでも綺麗。

2018/04/15

[にゃんた]

日本の良さを外国人に伝えるとしたら何？という中学入試の設問に短歌、俳句と書いたという娘の友達がいたのだが、短歌俳句を読むたびにそれを思い出す。限られた文字数の中で見事な情景、音、感覚をあらわす。この本では、雪という季語を使ったたくさんの俳句が、写真とともに乗せられ、まさに1冊のプレバト。有名、無名の人の作品も織り交ぜ、その作られた世界は美しく透明だった。短歌が好きだったけど、俳句もいいよね。巻末には雪や気象について学べる対談もあり勉強になりま〜す。

2017/12/03

[かふ]

アマゾンの読み放題で。雪が降った日に俳句でもと思って読んだ。雪の名句や写真が綺麗です。気象的な話も興味深い。「雪女」はブロッケン現象だったとか。「雪片を五七五で六つの花」季重なりでした。

2023/02/12

[クラムボン]

冬の代表的な季語である「雪」に特化した歳時記。古き俳人の名句が紹介されると共に、古人が詠み残した細かな傍題については、市井の俳人の優れた作品が掲載される。添えられた写真がまた良い。様々な雪の表情が句に色どりを加える。ただ後半の「雪に関する季語について科学的な視点から専門家に聞く質問コーナー」だけは余分だった。むしろ季語についてのより深い考察や俳句の選評を充実させてほしかった。古人と現代俳人の句からお気に入りを一句ずつ。「是がまあつひの栖か雪五尺／一茶」「筒雪どさどさイーハトーブの電柱行進／現代俳人」

2023/02/20