内容説明
ようこの歳まで、こんなすかたんやってきたなぁ。兄・雁之助とともに戦後間もなく“笑劇”の世界へ。「番頭はんと丁稚どん」「裸の大将」等など、人を笑わせ続けて七十年。溢れるほどに稼いだカネを蕩尽し、三度の結婚うち二度は人も呆れる歳の差婚。国内有数の映画マニアにしてモノ蒐集家――そんな“怪人”の人生から、戦後上方芸能史の裏側が見えてくる。最初にして最後の異色自伝、どうぞ、わろてやってください。 ※新潮新書版に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
38
著者はコメディアンで故雁之助氏の弟。昭和8年生まれの京都育ち。幼時から剽軽で、ある意味愛すべき人柄。柔らかな関西弁で語られる芸能史は、死んだ親父が喋っているようでホロリとした。著者は15歳で兄と漫才を始めるが、世の中はまだ貧しい。ヌード劇場でコントを書いていた花登筐と出会って運が拓け、「番頭はんと丁稚どん」に始まる関西コメディの大躍進、映画にTVにと全盛期を迎える。年齢的に私は見ておらず、数々の秘話やトラブルも知らない事ばかり。裏芸能史として面白く、関西らしいサービス精神の溢れた一冊。2020/01/19
高橋 (犬塚)裕道
7
星3。面白かった。懐かしい話題や知らなかった事、色々楽く読ませて頂きました。2022/11/05
gtn
6
著者に対してイメージ以上の衝撃があった。怪奇・SF映画コレクターであることは以前から知っていたが、七股交際、二度の離婚、三度の結婚、80歳を過ぎて一日五度の食事と三時間睡眠等々かなり羽目を外している。しかし、一番印象に残ったのは兄弟愛だ。本著中、「雁ちゃん(兄雁之助)」「雁平(弟)」という単語が何回出てきたことか。2018/05/02
鷹ぼん
6
ちょっと息抜きに最適。と言うと、書き手の小雁ちゃんに悪いかな(笑)。親子ほど年の離れた人に「ちゃん」付けはどうかと思うけど、芦屋小雁は「小雁ちゃん」でないといけない。「小雁さん」なんて呼び方は、しっくり来まへんわな。漫才や落語などの演芸、文楽や歌舞伎など古典芸能の視点から書かれた「上方芸能史」は多いが、コメディ、喜劇の視点で書かれた「上方芸能史」はそれほど多くはないと思うので、息抜きに最適と言いながら、結構貴重な上方芸能史料ではないかと思う。元気で長生きしてほしい人である。2018/02/13
ギルヲ
4
なんとも昭和なユーモアという感じのタイトル通り、ほのぼのと、穏やかに小雁ちゃんが語ってます。テレビ草創期から活躍されている方なので、さらっと語ることがとても貴重な証言のような。空襲や敗戦、二度の離婚や兄弟の死などを深刻に語らないのは人柄でしょうか。もっと分厚くても良かったなぁ。良い本でした。 2019/11/21
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