講談社現代新書<br> 9.11後の現代史

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講談社現代新書
9.11後の現代史

  • 著者名:酒井啓子【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 講談社(2018/01発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062884594

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内容説明

20世紀を通じて中東で起きてきたことは、世界の、特に欧米諸国が行ってきたことのツケみたいなものである。そして、21世紀。アメリカの陰り、テロ、難民、宗教対立……2001年の9.11米国同時多発テロ事件を機に、そのツケがさらに巨大なものとして私たちの目の前に現れている。中東から、混乱の世界を読み解き、どう次の時代につなげていくのかを問う、かつてない現代史。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Aster

61
中東をメインとした9.11以降の情勢がよく分かるが、ページ数から見ても分かるように(自分が満足出来るような)詳細までしっかり書かれているとは言えない印象。逆にまとめとしてはかなり分かりやすい。個人的ではあるが、前述の通りこういったライトな新書に満足出来なくなった自分に気づいた。しかしながら完全に理解しているとは言い難いのでこれからも読み続けていく。この本も再読していきたい。2020/03/31

rico

38
9.11はTVでその瞬間を見た。足元が崩れていくような感覚があった。あの日を起点として中東情勢をわかりやすく俯瞰した一冊・・のはずなのだが、なかなかハードルが高い。地図を手元に置き、じっくり向い合って初めて全体像が見えるのだろう。宗教の違いだけでは戦いは起こらないと著者は言う。宗教を縦軸に、政治的な立場を横軸にとり、さらに大国の思惑が働き細分化された挙句、自らを「犠牲者」であると認識している多くの集団が形成されたことが、悲劇につながっている。同時代を生きる者として何をなすべきか。答は見つからからない。2018/07/24

樋口佳之

30
憎悪の上に新しい憎悪が重なってしまっている。人が死に難民となっている状況は、どこから解決の糸口を探すのかが見えない。留学生として学びながらあえて故国に帰る若者の未来に幸運を祈ること位しかできないのか。2018/03/19

skunk_c

29
現代史とあるが出来事を時系列に並べるのではなく、イスラーム国やアラブの春といったトピックから世界全体の現代史に切り込んでいく。著者は中東の専門家であり、平易な文章だが内容は濃い。特に安易に語られがちな宗派対立については、しっかりとした政治的力学から見よと警鐘を鳴らす。パレスチナ問題が後景に退いたのが9.11以降のことで、これが結果的にアラブ諸国の本音ともいうべき対立を表面に出してくることになったとの見立ては面白い。紛争の部分だけを眺めて一喜一憂するような著作とは一線を画した、多くの人が読むべき本だと思う。2018/03/18

James Hayashi

28
千葉大教授、専門はイラク政治史、現代中東政治。18年著。イラク戦争後、米軍は「軍事力による民主化の強要」を求め反発された。これが原因となりISが生まれ米国敵視が強まった。ISに参加しているのはガリガリのムスリムばかりでなく、ドロップアウトした人々に「戦う大義」と自信を与え、他宗からの改宗者も見られるという。また抑えがたい欲求に、ISの名を借りて暴力を実行する者もいるらしい。また⒐11後はイスラム教を無実の人でも敵視するようになり、欧米諸国に感情露わにするようになったようだ。続く→2019/06/11

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