内容説明
91歳の誕生日を前にして、長年付き添ってくれた寂庵のスタッフたちが一斉に辞めることになった。最年少、24歳のモナを除いて。好きな仕事に専念してほしいとの心遣いからだった。出家以来40年ぶりの革命で、モナと二人の新しい生活に入る。「毎日が死に支度」と思い定めて、この小説の連載も開始した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
19
#読了 先日の「いのち」に引き続き、瀬戸内寂聴さんの晩年の作品。これも小説なのか、エッセイなのかわからなく不思議な感じ。晩年の作品は、死ぬことについてたくさん書いてあるが、かえって生きることになっている。友人や知人が次々に亡くなっていき、その最後を思い出して語るのは、90代にはあるあるなのかもしれない…。私にもいつかそんな日が来る。解説で江國香織さんが書いているように、文章全てが自在で豊かでかろやか。「若い者には巻かれろ」、寂聴さんのおもしろがりの柔軟な姿勢が、生活を彩っているのがわかる。幽霊も眠くなる。2021/11/25
犬養三千代
14
軽やかでいて重厚。エッセイと小説の融合がなんとも言えない香りを生み出す。寂聴さんとモナさんの丁々発止のやりとりの暖かさはこころがほっこりする。 また、読みたい一冊。2023/10/10
みどりまま
7
エッセイだったり、手紙だったり。 昔のはなしだったり。 主語が誰だかわからなくなり、この話は誰のはなし?と、思ってしまうことも度々。2019/01/05
オカピー
6
99歳で亡くなられています。作品は読んだことが無いですが、何かと話題の方でした。自分の生きたいように生きる、わがままなのかもしれないけど、貫いたところがすごいと思いました。2023/09/04
takakomama
6
小説のような、自伝のような、エッセイのような・・・ 主語が誰なのかわかりずらいところもありました。今までの人生、思い出、人々との出会いと別れ、僧としての建前と90歳の小説家の本音。90歳を過ぎれば、見送った人も多く、老いや死を身近に感じると思います。 2020/08/18