内容説明
中国の黄色い大地で、家族のために働き抜いた父や伯父たち。厳しくも慈愛溢れる彼らの生き様は古き良き中国を体現していた。文革、貧困、戦争……ノーベル賞候補作家による感動のエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
52
現代中国作家のエッセイ。父、叔父、伯父や家族との思い出や子供時代を率直に優しく語る。小作農出身の著者が中国の農村の生活の日々や労働など、現代日本ではもう見られないほどの貧困や生きることの苛烈さと、それらからの脱出と後悔が綴られている。文化大革命時の都市部インテリの放下の実際などいろいろ興味深いところがある。読み慣れない中国人作家のせいか、表現や考え方に癖を感じた。邦訳の作品はだいたい読んでいるがやはりロマンチシズム溢れる作家だ。2017/02/15
燃えつきた棒
27
作者が父母や親族に寄せる眼差しのやわらかさが胸を打つ。 映画で言えば、マイケル・ウィンターボトムの「ひかりのまち」のような味わい。 それほど厚い本でもないのに、特別活字が小さい訳でもないのに、何故か涙が止まらなかった。 2017/01/11
けいと
13
文革の時代の知識青年から見た小説は読んだことはあるが農民からの視点であの頃を見るとやはり大きく違うものだと感じた。 ー都会に人々は日々の「暮らし」を「生活」と呼ぶ。田舎の人は「生活」を「暮らし」と呼ぶ。ー 閻連科の書く小説は泥臭い。黄土を這いずり回って生きてきた彼の父や叔父、そして農民たちの生きてきた証なんだと思う。 2016/07/26
すーぱーじゅげむ
11
この年代の「中国の農民」の平均的な姿なんだろうな、というのと、著者はもしかしてお父さんとあまり仲が良くなかった(合わなかった)のかな、とちょっと感じました。伯父の描写と比べて、距離を感じるというか。でも、このファミリーのまっすぐさ、頑固さ、愛情、苦労が根っこになってあの作品・キャラクターなんだな、とすごく納得もしました。飢饉や重労働を越え、息子・娘にいい結婚をさせる、そのためにいい家を建てる、それだけの人生。それだけ? 短い人生にやること山積みの労働・農耕人生。厳しい時代を生きた人は、やっぱ違う。2026/04/30
きゅー
11
文化大革命時代を生きた閻連科と、彼の父や親族の生き様が綴られる。同じ中国の作家、高行健の作品のように、ここには自己に対する途方もなく冷徹な視線がある。この情け容赦なく自分の身と心を切り刻む筆致には寒気を覚える。しかし、それは摩耗した感情から生まれているのではなく、作家として、あるいは人間として不退転の決意で書かれたものであり、一文字一文字に彼の血涙を見るようだ。父の死の場面などは偉大な悲劇作品におけるカタストロフに匹敵する。言葉というものがこれほどまでに暴力的で、荒々しく、なおかつ叙情的であり得るとは。2016/08/04
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