内容説明
地図上では勢力が弱まったかに見える「イスラム国(IS)」。だが、その思想は全世界にウイルスのごとく広がり、彼らはテロリストの盟主として空爆の廃墟からよみがえる――ISの本質が「国家建設」にあると独自の視点で看破したベストセラー『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』に、新章6章を書き下ろし改題。解説・池上彰
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
18
2017年夏頃を境に、イスラム国のイラク・シリア地域での支配地域は激しい空爆と内戦によって奪還され、ほぼ壊滅かと思われていた。しかし、中東における内戦から、アフリカやヨーロッパ、東南アジア地域でのテロ攻撃に作戦が変化し、壊滅していないという。テロの費用は拘束した外国人の人質身代金で賄われている。人質を救うことが、次のテロ攻撃の経費に回される事実をどう考えるのか。2018年には1人のフリージャーナリストに対し200億ドルとも言われる身代金を渡したことによって、日本もテロに加担してしまっているということ。2019/06/09
tsubomi
6
2025.0416-05.13:タリバンは“コーランの教義と予言者の書物に基づいた世界”を極端に解釈した集団で、「イスラム国」は教義とは無関係に“グローバリゼーションと最新のテクノロジーの産物”で決算報告書をもつテロ組織との定義。ベドウィン族で労働者階級出身のザルカウィが立ち上げ、イスラム神学の学位を持ったバグダディが発展させた組織の盛衰と、シーア派、ヒズボラ、ハマスとの関係性、さらには諸国家との関係性についての内容で、どの組織にもまったく共感できないので読んでいてちょっと疲れます。2025/05/13
hjms11
3
「イスラム国」という呼称は彼らの主張を認めるようで抵抗があったが、彼らの支配地域ではインフラの整備、イスラーム法による統治などなど、部分的には「国家」として機能していたのが意外だった。SNSを駆使したプロモーション活動など手口としては確かに革新的・最先端かもしれないが、カリフ制国家を樹立してグローバリズムに対抗しようという原理はやはり前時代的に感じる。どれだけ主張しようが排他的なムスリム至上主義にしか聞こえない。まずはあなた、スンニ派とシーア派がお互い認め合ったら?って思う。まあ無理だろうけど…2018/04/09
うたまる
1
「ISISの戦いは、革命ではない。領土を確保するための征服戦争だ」……2010年代にシリア周辺を席巻したイスラム国についての論考。一泡吹かせるや大金をせしめるといった従来のテロ組織とは異なり、イスラム国の目的はカリフ制国家の建国だという。これは当然第二次大戦以降の世界秩序への挑戦と受け止められる訳だが、あながち分からんでもない。すべては欧米による乱暴な国境線が原因。民族も宗教も文化も関係なく、自分たち列強の都合だけで決めたものだ。これを正せという主張に一定の正当性がある以上、そりゃ何度でもよみがえるわな。2025/10/09
in medio tutissimus ibis.
1
イスラム国はグローバリゼーションの鬼子である。多極体制下中東の代理戦争の泥沼から利益を掠め、テクノロジーとプロパガンダを駆使して西欧諸国にも賛同者を募り、カリフ制国家建国という基本戦略によって地歩を得た。一方で彼らはローカルな存在であることにも徹した。支配地に治安とインフラをもたらし、地下資源の利益を配分し、戦闘員に結婚相手の斡旋をする。テロリズム、イスラム原理主義、秘密主義のヴェールの下に見えるその素顔は現実主義的な国民国家に驚くほど近い。情勢は変化しても、これを生んだ欧米や中東の環境と思想に変化はない2018/12/23
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