内容説明
天才調香師レオナール・ヴェイユは、若くして世界的大ヒットとなる香水を開発した一流調香師。世界的なヒットを飛ばしたあと、依頼者だけのための香りを生み出すプライベート調香師となった謎多き彼に、主人公・月見里瑞希は依頼状を出すことになった。絵画や薔薇にまつわる謎を解き明かしながら、色を香りに変えていくレオナールの鮮やかな手さばきが心地よい、香りにまつわる物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アン
42
世界的大ヒットの香水を生み出した天才調香師レオナール(レオ)、後に依頼者の為だけのプライベート調香師になり、納得した依頼だけを受けている謎多き人物。瑞希が依頼の手紙を出した事をきっかけに行動を共にすることに。超美形で語学が堪能なレオは真摯に人と向き合う素敵な人。香水の話だけでなく、絵画や花、花言葉にスイーツと色々な内容も盛り込まれていて楽しめました。人の想いが込められたもの(記憶)から香りを導きだして香水を作る工程も素敵。瑞希とは運命的なものを感じているようだし、謎も残っているので続編出し欲しいな~。2017/02/13
カナン
37
余命僅かな母の最期の願いを叶えるため瑞希が仕事を依頼したのは、依頼人一人のためだけに香りを作る天才調香師レオナール。薔薇園、花言葉、絵画、紅茶に甘味、各国の美術品と、香りを色で捉えるという共感覚を持った神秘的で誠実なレオの仕事ぶりは、出来過ぎなほど美しい世界観。が、こんなにアーティスティックな設定なのに文章が説明的で情緒面の描写が乏しいことと、デザイナーの母に育てられミラノでデザインを学んでいる瑞希が、芸術と宗教は切っても切れないことや代表的な美術館の名すら全く知らないという無知っぷりは流石に無理がある→2018/02/18
nono
19
図書館本。初読み作家様。美貌の天才調香師レオナールは依頼者の為だけの香りを作るプライベート調香師。母の為に依頼をする瑞希との出会い「ローズ」、次の依頼「ジャスミン」と、香水だけでなく、美術や絵画、花や味覚など様々な要素からその香りをイメージしていく様は眩いばかりの贅沢感。レオの香りを色に感じる共感覚も面白いし、調香の奥深さも感じられ楽しかったです。未回収の話もあるので続き読みたい。表紙も印象的だと思ったらyocoさんでした。2017/01/03
悠
13
香りと思い出は密接に関わっている。 香りによって鮮明になる想いがある。 そんな、世界にたった一つの その人だけの香りを作る 天才調香師レオナール・ヴェイユ 香りが色で見える得意体質。 彼に母のための調香を依頼したことから いろいろな人と縁を結んでいきます。 こころがフルフルするお話でした。 2022/06/07
ゆり
12
香水やお花や絵画やそれらにまつわる人の愛情、書かれるモチーフがどれも美しくロマンティックで、読んでいてうっとりひたれる物語でした。心が美しく豊かなもので満たされる。絵に秘められた瑞希の亡き父の想いをレオとふたりたどってゆき母に受け渡す前半パートが特に好き。物腰柔らかな完璧な紳士でスイーツ大好きなレオナールの瑞希へのさりげなくぐいぐいくるアプローチにときめきます(笑)。レオの家庭事情やふたりの仲の進展や続きが読みたいお話です。レオの作る香り、薔薇やジャスミンの香りが本の中から漂ってくるような。2017/04/29




