創元SF文庫<br> 万華鏡 ブラッドベリ自選傑作集

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創元SF文庫
万華鏡 ブラッドベリ自選傑作集

  • ISBN:9784488612061

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内容説明

隕石との衝突事故で宇宙船が破壊され、宇宙空間へ放り出された飛行士たち。時間がたつにつれ、仲間たちとの無線交信は、ひとつまたひとつと途切れゆく──永遠の名作「万華鏡」をはじめ、子供部屋がいつのまにかリアルなアフリカと化す「草原」、年に一度岬の灯台へ深海から訪れる巨大生物と青年との出会いを描いた「霧笛」など、“SFの叙情派詩人”ブラッドベリがみずから選んだ傑作短編26編を収録。天才作家の幅広い創作活動を俯瞰できる、最大にして最適の一冊。【収録作】「アンリ・マチスのポーカー・チップの目」「草原」「歓迎と別離」「メランコリイの妙薬」「鉢の底の果物」「イラ」「小ねずみ夫婦」「小さな暗殺者」「国歌演奏短距離走者」「すると岩が叫んだ」「見えない少年」「夜の邂逅」「狐と森」「骨」「たんぽぽのお酒」(「イルミネーション」「たんぽぽのお酒」「彫像」「夢見るための緑のお酒」)「万華鏡」「日と影」「刺青の男」「霧笛」「こびと」「熱にうかされて」「すばらしき白服」「やさしく雨ぞ降りしきる」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

125
ブラッドベリの自選傑作集ということでかなりの作品が収められています。私は最初にサンリオSF文庫の川本三郎さんの訳で読んだのですがこれは中村融さんの訳ですね。ブラッドベリの作品はいくつも読んでいますが、これは彼が自選したもので様々な感じのものが楽しめます。「メランコリイの妙薬」「骨」「タンポポのお酒」「刺青の男」「霧笛」「こびと」など私の好きな作品も多くあります。2018/01/03

藤月はな(灯れ松明の火)

73
大人になれない一種の不死者の生きていくための諦観と希望が印象的な「歓迎と別離」に対し、非常に合理的な世界で夫に萎縮させられるイラに訪れたロマンスと悲しさを描いた「イラ」の哀切な怖さも良いです。「鉢の底の果物」はおとぎ話のような風合いですね。表題作の宇宙で離れ離れとなり、仲間との交信も次第に途切れ、死に直面しつつある人間の卑小さ、それでも誰かのためになりたいという切なる願いが叶ったラストは圧巻過ぎて息を呑むしかない。そして初めて読んだ『たんぽぽのお酒』シリーズが好みドンピシャなので全編、読もうと思います。2017/01/25

geshi

38
こうして短編を並べてみると、ブラッドベリはSFという枠には収まらない作家だ。あくまで書きたいのは人が共通して持っているもの寂しさや胸の痛みであって、それを伝えるために最適な手法を毎回選んでいるように感じる。まだ体験した事がないはずなのに、遠い世界の話なのに、抒情的に感じる事が出来る。『鉢の底の果物』ミステリー風にしつつも可笑しさと狂気の狭間を的確に描いている。『すると岩が叫んだ』世界に負けを認めない夫婦の選択がとても尊く見える。『万華鏡』サイボーグ009を想起させる哀しくも美しい結び。2017/03/20

たぬ

37
☆4 SF、コメディ、胸糞等々、バラエティ豊かな26のお話。突出していたのは「草原」。出てくるアイテムはひみつ道具だしオチはブラックだしでものすごくF先生感あったわ。体格がほぼ一緒の6人が1着のスーツを共有する「すばらしき白服」もインパクトがあったな。「小さな暗殺者」も不気味で好き。2021/11/14

かわうそ

35
なぜかこれまでブラッドベリをあまり読んでこなかったけど、この自選短編集を読んでSFジャンルだけにおさまらない傑作・名作の目白押しに圧倒された。特にお気に入りは「国家演奏短距離走者」「夜の邂逅」「霧笛」「骨」など。2017/02/13

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