興亡の世界史 大英帝国という経験

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興亡の世界史 大英帝国という経験

  • 著者名:井野瀬久美惠【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2017/12発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062924696

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内容説明

アイルランドから、アフリカ、インド、香港まで、世界にその足跡を残した大英帝国。大陸の片隅の島国は、いかにして大帝国へと発展し、女王ヴィクトリアが治める最盛期へと至ったのか。「アメリカ植民地の喪失」をステップとし、多くのモノと文化と娯楽を手に入れ、女性たちが世界を旅したこの国は、なぜ、他国に先んじて奴隷制度を廃止することができたのか。解体と再編の歴史から、EU離脱に揺れるこの国の現代をも読み解く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風に吹かれて

19
 現在の世界の姿に深く大英帝国が影響していることを改めて確認。植民地アメリカ独立後、産業革命による都市拡大の影響を受けた都市周辺の農民を中心に世界各地へ移民が進み、また、国内の女性の数が男性より相当多くなったこともあり家庭教師などで女性の移民が進み、言語の英語化も進み、一方、オスマン帝国崩壊後の三方位外交により現在も混迷する中東の原因を作った。  そして、様々の分野で活躍する女性たち。個々の人たちの活動により奴隷貿易大国や世界の工場から脱却していく姿も四百ページ足らずの本の中で垣間見せてくれる。➡2020/05/21

masabi

15
【概要】大英帝国の経験が本国と植民地にいかなる影響を与えたのかを解説する。【感想】帝国の政治史ではなく人に焦点を当て文化を扱う。フランスとの対立がイギリス人のアイデンティティを育むとともに、現代のイギリスの非白人との差異が白人でないイギリス人のアイデンティティを鍛える契機と成り得るだろうか。政治史、帝国史だけでなく経済史も当たってみたい。2019/08/14

かんがく

12
大英帝国を軸に、アジアからアメリカに至る地球全体の動きと、帝国以後の現在における取り組みまでを扱う空間的・時間的にかなり射程の広い一冊。女性、他人種などの差別の問題と、観光などの娯楽への言及が多く、歴史総合の授業に活用できそうな内容だった。2023/07/02

ふぁきべ

9
興亡の世界史シリーズの中では違った色彩を帯びている。大英帝国の形成とそれが他国への興亡という文脈でどのような影響を他国へ与えたのか、というような内容を想像していたが、実際には人に焦点の当たった内容でとても興味深かった。奴隷解放や移民、女性、被支配者、階級間の問題に深く鋭く切り込んでいてよかった。現代ではイギリスと移民というとイギリスへ入ってくる移民の話になるが、当時のイギリスは新世界へ送り出す側だったことを忘れてはいけない。そして西インドや南アジアからの移民が大量に流入することになるのはのちの話である。2019/04/19

ワッキー提督

3
やはり「イギリス帝国史」が一番好きな分野であると再確認させられた一冊。本書が提示した複数の切り口は、今まで触れたことのないものだったので、非常に刺激的だった。2022/06/04

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