集英社インターナショナル<br> 戦争と農業(インターナショナル新書)

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集英社インターナショナル
戦争と農業(インターナショナル新書)

  • 著者名:藤原辰史【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 集英社(2017/12発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784797680157

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内容説明

農作業を効率的にしたい。その思いが二十世紀の農業技術を飛躍的に発展させ、同時に、その技術が戦争のあり方をも変えた。トラクターは戦車に、化学肥料は火薬になった。逆に毒ガスは平和利用の名のもと、農薬に転用される。本来人間の食を豊かにするはずのテクノロジーの発展が、現実には人々の争いを加速させ、飽食と飢餓が共存する世界をつくった。この不条理な状況を変えるために、わたしたちにできることを考える。

目次

はじめに
第一講 農業の技術から見た二十世紀
第二講 暴力の技術から見た二十世紀
第三講 飢餓から二十世紀の政治を問う
第四講 食の終焉
第五講 食と農業の再定義に向けて
第六講 講義のまとめと展望
おわりに
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

35
「トラクターの世界史」に比べると、言葉は悪いが女子ども向けっつーか、優しい口調でかなり読みやすい。中高生むけ。こういう歴史の切り取り方で授業を受けてたらもっと世界史に興味出てたと思う。ナチスドイツの飢餓作戦とか全然知らなかったなー。ただこの本後半は食育とかエコロジーとかの話になっちゃってその手の本はたくさんあるから、もっと歴史視点で語って欲しかった感。2018/01/11

skunk_c

34
『トラクターの世界史』の著者が「大学付き食堂」と名付けた市民講座での6つの講話を書籍化したもの。本書のタイトルは最初の2講で、3講以降はそこから広く企業活動、食、教育などに広がっていく。『トラクターの世界史』がなぜ面白いのかが分かった。この著者は確かな人間観、自然観を持っているのだ。人間を多くの生物が存在する中の「細いチューブ」と捉え、自然との共生を着実に目指すような社会哲学が通底しており、社会を巨大企業の利益収集装置から人間主体のゆっくりとした時間が流れる社会に変えようという壮大なヴィジョンがあるのだ。2017/11/15

さきん

31
窒素の工業による生産は大量の肥料を得た分、大量の弾薬を作ることも意味していた。また、トラクターは農作業を楽にした面が大きいが、小さい農業を破壊し、戦争では戦車に発展した。戦争で使われた毒ガスは農薬になった。後半は、日本で食、農の営みをどう取り戻していくかについて。読みやすい。2018/01/04

かふ

25
岩波HPで「藤原辰史:パンデミックを生きる指針――歴史研究のアプローチ」(ぜひ読んで!)で感銘を受けたので電子書籍で読んでみた。水俣病のチッソが農業の肥料と共に火薬を大量生産していたこと。農業技術の戦争利用は他にもトラクターの戦車化など。近い例だとモンサントの枯葉剤。大企業の大量生産は遺伝子組み換えや専業農場化(プランステーション)による環境破壊をもたらす。自然破壊が温暖化によって疫病を人類にもたらすことも視野に入れるならば農業と食は緊急に考えていかなければならないテーマだ。2020/04/22

Akihiro Nishio

24
「トラクターの歴史」の作者による本。何とほとんど同時に出版。しかし、テーマは似ているものの文体や議論の進め方は同じ作者と思えないくらい全く違う。最後まで読んでわかったが市民向け講座の講義録を編纂したものであった。戦争と農業に関する話題は少な目で、民主主義や食物メジャー、スローフードなどにも多くの項を割いている。正直散漫な印象で、トラクターの歴史を読んだ後だと、自分には物足りなかったかな。2017/12/07

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