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内容説明
討幕派の指導者として薩長同盟・王政復古の画策、江戸の無血開城など、近代日本の礎を築いた西郷隆盛。明治維新後、西郷を待ち受けていたものは、人間社会に必然な腐敗と醜い権力闘争であった……明治10年9月24日、城山にて自刃。維新最大の功労者でありながら、賊軍として非業の死を遂げるに至った理由とは何か。正義・人道を貫いた男の不撓不屈の生涯を鮮やかに描いた力作評伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
筑紫の國造
7
これはなかなか面白い評伝だった。著者が倫理学者だからか、西郷隆盛の内面的な葛藤に深く入り込み、説得力のある説明がなされている。維新に際して西郷が採らざるを得なかった非常な手段にもしっかりと言及し、だからこそのちに自分が追い込まれた立場を因果応報と考えたという理屈は、なるほどもっとも、という感がある。文章もかなりこなれていて、引用の仕方なども非常に上手いと思う。ただひとつ、やはり大久保利通に対してかなりの偏見があるのは否めない。西郷伝を書く人に共通するが、何も敵対者を必要以上に貶めることはない。2019/02/17
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