内容説明
多くの宗教で、性欲・金銭欲などの自らの欲求を断ち切り、克服することが求められる。キリスト教も同様だが、それではヨーロッパにおける「禁欲の思想」はいつ生まれ、どのように変化していったのか。身体を鍛錬する古代ギリシアから、法に縛られたローマ時代を経て、キリスト教の広がりとともに修道制が生まれ、修道院が誕生するまで――。千年に及ぶヨーロッパ古代の思想史を「禁欲」という視点から照らし出す意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
28
サブタイトルの修道院の起源というのがベネディクト会以降の組織的に確立された修道院制度のできるまでの前史ということらしい。基本下半身な話をいかにすべきか?ということでギリシアローマから始まるんだけど、ユウェナリスを持ってくるのはいいんだけど、ローマ時代や中世において誤用の方の意味が主であるという書き方はどうなのよ?というとこからどうにも微妙な気分で読む。のだけど、やっぱりいろいろと微妙になんかどうよ?と突っ込みたくなる記述が多くてだんだん萎えてくる(汗。どうも、もやもやしたままなので別の本を勧めたい感じ。2015/02/10
テツ
27
ヨーロッパにおける修道院の成り立ち。俗世から離れ禁欲生活を送り主へ捧げる祈りだけを拠り所とする。肉体的な欲望も精神的な欲望も人間が生きる上での活力になることは確かだろうし、おそらく種としての人間全体が進化するための原動力にもなるんだろう。それでも禁欲という縛りを自らに課して生きるに至るには、そうして集団で暮らす場所を形成したことにはどんな意味があったのか。全ての欲望を否定しようとは思わないが、並外れた強欲は罪だという思想は大切なものなのかもしれないよな。肉欲と物欲は簡単に人を破滅させてしまう。2018/04/29
こぽぞう☆
15
キリスト教修道生活に先立つギリシャローマ時代の「禁欲」から書き起す。黄金伝説の索引を引きつつ読んだ。表面的なヨーロッパ史読んでると闇から現れヤミへ消えるような聖職者や修道女なとが沢山いる。彼らのあっち側を読むようですごく興味深い。この本はブックオフで何気なく手に取ったのだが、続きも読みたい。定価だと結構お高い。。ブックオフオンラインには在庫無し。こういう感じの本は中古市場になかなか出回らないのよね。2019/02/04
fseigojp
14
カソリックや正教の原点は修道院にある その根本は禁欲である なお、ロシア正教には修道士であることを必須としない長老という制度がある カラマーゾフの兄弟のゾシマ長老など。 聖マルチヌスの出現で、ドルイド的な聖地の廃棄がおこり禁欲的生涯を送った聖人への信仰(カソリック的)が始まる2015/07/17
shizuca
7
ようやく読了。後半、一気によむスピードが落ちてしまいました。途中のエジプトの隠修士の話は楽しくてすらすら読めたのですが、聖マルティヌスを過ぎてからどうも手が進まず……。いまではヨーロッパ=キリスト教ですが、たしかにキリスト教が誕生したのはヨーロッパではないですものね、それがローマへやってきてローマから各征服地へと考えるとまた違った面が見えてきて面白かったです。欲望を押さえ込むために昔の方々はいろんなことを実践したんだなぁと感心するばかりです。2016/01/18
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