内容説明
経産省若手官僚が問いかける、日本の未来
150万ダウンロードを記録した資料を補足を含め完全版として書籍化。
20~30代の官僚たちが現代日本を分析した未来への提言。
2017年5月に産業構造審議会総会の配布資料として公開されると、
多くのメディアに取り上げられ、瞬く間に150万ダウンロードを記録、
賛否両論を巻き起こした「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」。
これは「経済産業省次官・若手プロジェクト」の一環として作られたもので、
今後日本が立ち向かうべき課題
「富の創造と分配」
「セーフティネット」
「国際秩序・安全保障」
について議論を重ねたもの。
この資料に補足を加え、さらには養老孟司、冨山和彦、東浩紀らとの対談を収録した完全版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
83
若手官僚の皆様が「個人的」に国民の生活についてミクロレベルまで落とし込んで考えること自体は良いことだと思う。ただそれを政府の具体的な政策に落とし込むのはどうかなぁと感じる。1億人以上の人口を抱える国で個々の生活に踏み込んで政策を実行すると、かえって全体主義になりやせんか。ふだんから「なぜ」を考えない日本人の国民性を考えると国家が具体的な政策まで考えて実行することは危なっかしいことだと思う。今回の「レポート」の評価できるところは問題提起しただけで具体的な政策については、述べられていないことだと捉えている。2018/01/25
サトシ@朝練ファイト
25
レポートは経産省のHPからダウンロードできますが、こちらは三名の方々との座談会を載せられています。繰り返し読むテキストかな。2018/09/27
HMax
20
「2度目の見逃し三振は許されない。」一度目は団塊ジュニアを対象に効果的な少子化対策が出来なかった。高齢化社会に向けて、今、改革が出来ないと、もう終わり、何とかしないとだめですよという内容。勤労世代が高齢者を支える社会から、大人が子供を支える社会への変革が必要。90歳で「まだ死にたくない」、年金が減るのは嫌だ、次世代のことなんか知らない、結果平等を求めながら自由な競争も求める、ここでも「好き好き至上主義」が蔓延する現代社会。あなたにも家族がいるでしょう。自分の子供たち孫たちが今後どうなっていくと思いますか?2018/07/14
みねたか@
19
経産省の若手官僚プロジェクトによる提言。支えられる側から支える側へ,現役世代と将来世代への投資など内容自体に新味はないが官僚が書いたことに意味があるのかも。書籍化にあたり,養老孟子など3人の論客との対談と,メンバーインタビューを併録。理屈だけではうまくいかない,現場で起きていることを徹底的に突き詰めるべき等,触発される内容。特にメンバーインタビューでは経産省のやりがいが熱く語られ,経産省って,こんなに自由で,多様性が認められる職場なんだと感心。経産省で働きたいと思う若者が増えそう。2018/07/10
Tenouji
17
対談が面白かった。養老氏は都市や言語の点から、行政がコントロールできることの限界を、冨山氏は、いつものグローカル論をベースにしながらも、現場の重要性を説き、東氏にいたっては、日本の批評哲学が輸入文化であるがゆえに、限界もあるがユニークなものであることをうたってた。やはり、この読書でも、変化は、今ここから始めるしかないことを知る。2017/12/07