内容説明
●大人にも増えていて、職場にも増え、
周囲の理解とサポートが求められる「自閉スペクトラム症」を
豊富な実例(症例)をもとに理解を深める1冊
自閉スペクトラム(Autistic Spectrum Disorder、略称ASD)とは、
自閉症やアスペルガー症候群を含む高機能自閉症などの各疾患を、
知的障害レベルや自閉症状の強弱によって
連続する広汎性発達障害と捉えた概念のこと。
これまでの障害の概念を変える
新しい考え方として最近注目されているが、
分類の仕方にもよるが、
10人に1人は該当するという見方もある。
発達障害の中でも特に対人関係をうまく築けず、
周囲を困惑させてしまい、
“生きづらさ”を感じることで、
大人が引きこもりやうつ病を引き起こすことも問題となっている。
大人の自閉スペクトラムの人が抱える困難とは何か?
どうすれば社会で周囲から誤解されなく活躍できるのか?
いまだ誤解もあり理解が足りていないこともあり、
周囲はおろか本人が自覚していないケースも少なくない。
そのため職場で問題になるケースがある一方で、
一部、IT関係など緻密な仕事に向く彼らならではの
特性を活かす企業も出てきている。
本書は、当事者やその家族が置かれる現状を踏まえて、
周囲はいかに対処するかを、
長年発達障害と向き合ってきた精神科医の著者が、
最新の研究の動向や豊富な職場での事例をまじえて解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
18
介護施設で働く者として、健常に見える大人の中に自閉症スペクトラム症の人がそんなにもいるのかと驚きます。 カウンセリングで救済されるのならば、レッテル貼りは慎重でなければいけないと思うのが本心です。 自助のレベルで救済できる社会でありたいですね。2019/09/28
manamuse
16
スペクトラムを直角三角形◢で表されていたのが、なるほど!分かりやすい。ASD↗︎一般人の間に発達凸凹がいるから、そんなの誰でもあるよ〜とか、そんなの普通じゃない?とか言われる訳だ。なるほど。けど、社会生活に支障があるかないかな訳よ。ないから受診しないんでしょう?あるから受診して診断される訳よ。そこが大きな違い。2024/03/18
海(カイ)
15
ケースが書かれているところは自分と重ねてしまって泣きそうになって読めなかった。 だから、飛ばし読みで読了。2018/02/14
こぽぞう☆
13
自閉症スペクトラムの当事者としては「自助」以上に「共助」は難しいと感じる。著者が書くような、例えば1日1回、上司と会合を持つとすると、それが恐ろしくて仕事に行けなくなりそうだ。2019/12/06
碧海いお
8
ネットを見て、成人をしているけど私も発達障害かも?と思う方が読んだ方がいい本。多くの当事者の例が語られている。 成人しても、当事者だと職場でサポートをし続けると燃え尽き症候群。親がサポートをしなければいけない。既婚者になると配偶者が親のようにサポートをするのに理解をするとありましたけど、それな。 厳しい意見ですが、好きで部下や自分の配偶者のサポートをしたい方なんて殆どいないと思う…。2023/04/03