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内容説明
文学研究者として知られるバフチンだが、実は美学、哲学から言語学、記号論等々をまたぐ、領域横断的な知のありかたが本領。その根幹を貫く「対話原理」に透けて見えるのは、全体主義へと向かう窮屈なイデオロギー状況に対峙し、境界線上を行き来しながら格闘した思想家の姿である。
目次
はじめに-エピステーメーの転換
第1章 不可欠な他者
第2章 交通のなかの記号
第3章 ポリフォニーと対話原理
第4章 脱中心化
第5章 民衆の笑い
第6章 カーニヴァル化とグロテスク・リアリズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
30
「三つの声は、おたがいに顔をつきあわせ、お互いに話し合っているのであって、おたがいについて語っているのではない」ドストエフスキー論としてだけではなく、斎藤環が紹介している「オープンダイアローグ」でも主要な理論的裏付けとなっているポリフォニーにようやく手を付けるときが来ました。3者以上による、勝手な語り。自立支援施設の紹介でたびたび目にするそれは、実践での有効性が証明されているということになります。また、カーニバル論は、「民衆の笑い」をベルクソンの「近代の風刺」との対立を意識して考察しています。2018/07/16
ハチアカデミー
13
B+ バフチンの著作に依拠し、彼の研究テーマや思想をまとめた良書。ポリフォニーやカーニヴァルといった主要タームを改めて学べた。ポリフォニーは多声的であるだけでなく、書き手の意図に左右されない声、作中に現れる他者の声であるという点を始め、他者性やその他者が生み出す多様な生そのものを知ることを主眼としていたバフチンの思想が飲み込めた。また、未読のラブレー論で主張される笑いの考察も刺激的。価値の逆転する時空間=カーニヴァルについても参考になる。適度に氏の生涯を追いつつ、思想を解き明かすことに主眼をおいた文章が◎2012/06/26
三柴ゆよし
9
ドストエフスキー論を読むための下準備。バフチンの言葉自体それほど難解なものではないことが確認できたので、それなら最初からそちらを読めばよかったかなという気がしないではない。バフチンの生涯と思想の流れを一通り概観できるので悪い本ではないです。入門書という形式上、文体としては教科書的にならざるを得ないところ、部分部分で著者のバフチン愛が滲み出ており、好ましく感じた。2020/01/11
吟遊
8
入門書の位置づけだが、やや専門的に草稿の前後の異同など述べられる。もうちょっと生涯について割いてくれるとうれしいか。ほぼドストエフスキイ論とラブレー論の二本立て。2017/06/17
Bevel
6
まず創造的行為に関わる項(小説、作者、出来事)のうちに、互いに独立で対等で外在する多を認める(登場人物のポリフォニー、作者の中の他人、出来事における事物の関係)。そしてそれらの多は社会に内在させられることで一元論の要素となる。多はそれぞれ「社会的な力の屈折点」であり、力の関係にしたがって類型化される。このようなイメージのもとで、創造的行為は外部への浸透、脱中心化という意味を持つ。それを実現するための方法として多言語使用と系列化。最後にこのような理論全体は「笑い」として世界に「昔からあった」ことになる。2014/03/29
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