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内容説明
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北海道の北東部、千島列島、サハリン、カムチャツカ半島などに囲まれた環オホーツク海地域。紀元三世紀から一三世紀ころまで、豊饒の海からもたらされる恵みを糧とし、大陸との交流・交易を活発におこなっていた、さまざまな人々が存在した。謎に満ちた環オホーツク海。古代文化の輪郭を初めて描く。
目次
第1章 流鬼国の朝貢使節(流鬼国はカムチャツカ半島か、サハリンか
「北海」はバイカル湖か ほか)
第2章 流鬼国はどこにあったのか(何秋涛のカムチャツカ半島説
シュレーヘルによる流鬼伝の翻訳 ほか)
第3章 オホーツク文化の大陸起源説(オホーツク文化とエスキモー
オホーツク文化という名称 ほか)
第4章 オホーツク文化と流鬼(サハリンの遺跡調査
アムール河中流域の遺跡調査 ほか)
第5章 夜叉国と環オホーツク海交易(オホーツク海北岸の古コリャーク文化
「皇宋通宝」の発見 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
22
流鬼=オホーツク人=ニヴフ、夜叉=コリャーク2023/08/07
bapaksejahtera
6
大正初網走で発見されたモロヨ貝塚はアイヌ文化と異なるオホーツク沿岸地域と共通した文化域を認識させた。本書はこの歴史を紹介する。冒頭唐への朝貢が記録される流鬼国につき述べる。諸説を探った上で、流鬼をギリヤーク(ニフブ)と比定し、彼らがこの文化を担ったと続ける。北海道といえばアイヌと考え勝ちな我らの認識を打ち砕く。だが新書としてはアイヌとオホーツク文化との交渉についても述べるべきであったろう。我が国元寇の十年前に元は樺太アイヌを寇した。これを北海道から樺太にアイヌが進出した結果の事とする記述は如何な物か。 2020/11/05
お茶
5
オホーツク文化は北海道オホーツク海沿岸~礼文島・奥尻島まで。サハリン島・南千島に分布。『通典』にある「流鬼国」、何秋濤・シュレーヘルはカムチャツカ半島のカムチャダール(現イテリメン)民族説、「夜叉国」はコリャーク・チュクチ・エスキモーなどシベリア東部の民族で諸説紛々。白鳥庫吉は流鬼サハリン・アイヌ説。著者は流鬼=オホーツク文化を担ったニヴフ(旧ギリヤーク)民族、夜叉=カムチャツカのコリャーク民族説。オホーツク文化はアムール川中流域の民族が移動したものではないと。2021/05/15
夕波千鳥
3
かなりマニアックな内容だが、北方の交易・交流について、知る手掛かりとなった。北海道の歴史では、アイヌが取り上げられるが、オホーツク文化人という勢力の存在をその文化と共に知ることができた。 北方の海を舞台にたくさんの人々が交流していた。しかも中華王朝に朝貢もしていたという。マニアックだが、なかなかロマンがある。 アイヌがサハリンに侵入し、元々いた人々が助けを求めたことから、元が出兵し、アイヌを討った件からは、モンゴル帝国が北方まで勢力を伸ばしていたことを実感する。2020/06/24
どすきん
3
散らかった印象。あるところから結論?へと向かうのだが、それまでの考察と今一つ繋がらない感があった。2018/06/04




