平凡社新書<br> アーカイブズが社会を変える

個数:1
紙書籍版価格
¥814
  • 電子書籍

平凡社新書
アーカイブズが社会を変える

  • 著者名:松岡資明
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 平凡社(2017/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784582855807

ファイル: /

内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

二〇一一年四月、公文書管理法が施行される。国民の利害に関係する公文書を適切に管理し、利用者=国民の要求があれば閲覧を認めるという、民主主義の根幹に関わるきわめて重要な法律だ。日本はこれまで記録保存に関して「後れた国」だったが、この法律で何がどう変わるのか。公文書の世界で起きている地殻変動を伝え、知られざるアーカイブズの宇宙に誘う。

目次

第1章 後れた国ニッポン
第2章 アーカイブズの宇宙-公文書管理法施行は絶好の機会(耳目集めた「天草アーカイブズ」
「エル・ライブラリー」の挑戦
日本文化の源流をさぐる「仏教資料文庫」
外邦図の世界
北海道開拓と囚人
東京電力「電気の史料館」
世界有数のデジタル・アーカイブズ「アジア歴史資料センター」
山口銀行「やまぎん史料館」
逆境に立ち向かう「日航アーカイブズセンター」)
第3章 資料保存の危機
第4章 公文書管理法で何が変わるか(成立までの経緯
公文書管理法とは何か
その課題)
第5章 社会に欠かせぬアーカイブズ
第6章 課題と展望(いかに多様な記録資料を保存するか
「MLA連携」
著作権問題
人材育成
アーカイブズを支える市民の力)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オサム兄ぃ

7
2011年施行の公文書管理法。情報公開法と並び、知る権利を具体化する大切な法律だ。成立理由に福田康夫元総理の信念があったことはよく知られるが、その背景に彼を動かした新聞記事があった。長く日経新聞の文化記者として活躍した著者は、2002年の国際シンポジウムを取材して、衝撃を受ける。欧米の先進国はもちろん、中国・韓国といったアジア諸国に比べても、わが国の公文書管理体制の貧弱さは明らかであった。アーカイブズというと頭に「デジタル」を被せ、手段と目的を混同した言説が目に付くが、基本の再確認に本書はとても有効だ。2016/07/30

Humbaba

6
公文書の管理は,それ自体がすぐに利益を産んでくれるわけではない.しかし,利益を生まないからと言って無視して良いものになるわけではない.公文書をしっかりと管理しないことのツケは,後世の人間が支払うことになる.そうならないようにするために,制度を作る必要がある.2011/06/12

ソウ

5
ここのところ何かと公文書が話題になっていますので手に取りました。少し前(7年前?)の本なので今は違うかもしれませんが、率直に、本邦は公文書管理については中々の後進国だったんだ、と驚かされました。そもそもアーカイブズ(記録資料)とは?なぜ?、公文書館職員数比較(2014)米2700・英600・仏570・独790・韓340・日47人えっ!!(ちなみに中国は3600以上の档案館が存在)、公文書管理法成立経緯、民間の事例、各機関の連携、今後のあり様について等。新しい別の本も読んでみたいと思います。2018/04/10

かずし

4
分野、媒体を問わず、情報を保存し続けることがいかに難しく、しかし大事かを多様な実例を通して解説し、後半でこれを踏まえた公文書管理法施行の意義について論じている。実例紹介がやや多すぎる印象もあったが、アーカイブズなるものを抽象的に説明されてもピンとこないわけで、理解の前提として必要な部分なのだろう。 同法が、情報公開法と合わせて知る権利確保の両輪という言葉が特に印象に残った。保存しなければいけないことが明確化することで、その時々の処理に責任が伴うことになるというのは著者指摘のとおりだと思う。2022/02/19

Masap

3
アーカイブスのあり方をあらためて整理出来た作品。法制面も含めて本国はまだまだ遅れている、だから過去に学ばないくだらない事件が後を絶たないと感じさせてくれた。民主党政権は負のイメージしかなかったがこの分野だけは法制化まで持ち込めた点、評価に値する。2018/05/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3053514
  • ご注意事項