内容説明
仰(ぎょう)の国では、王の徳が失われ、世情が乱れ始めていた。「王を殺す刀」を作ったという罪を着せられて両親を殺された柳紫鳳(りゅうしほう)は、女であることを隠し、「絶命殺」と恐れられる暗殺者となり、旅を続けていた。ある日立ち寄った酒場で、月家刀を手に入れたという男たちから、塞北盗侠こと胡桃核(ことうかく)が奪おうとするところに遭遇する。この月家刀こそ、紫鳳の父の作った刀だった。だが……。
[解説:河野裕]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
20
「王を殺す刀」を作ったという無実の罪をきせられ、両親を殺された柳紫鳳は男装をし、「絶命殺」の異名を持つ暗殺者となり、仇を探し、旅をしています。武侠小説、それも日本人が書くものはかなり珍しいんじゃないでしょうか?江湖(武芸に生きる者たちや、侠客たちの生きる世界)、武林(様々な武術の門派たちの社会)などの用語は金庸の武侠小説を夢中で読んでいた頃を思い出しました。剣技、武術での戦闘描写は素晴らしく、登場人物たちも魅力的で楽しく読めました。ただ、ラストが駆け足気味だったのが残念でした。 2018/08/12
サケ太
16
日本人が書いた武侠小説。非常にスピーディーな展開が楽しい。中華ファンタジー的世界観。誰にも殺せない王を殺す刀を作ったとして、殺された父。生き残った娘は復讐を誓う。類稀なる才から、殺し屋『絶命殺』として江湖に名を広めた柳紫鳳。その前に立ちふさがる様々な困難。様々な人々と出会い、明かされてゆく事実の数々。出てきた登場人物たちが続々と去ってゆく。非常にドラマッチック。非常に楽しい作品。2018/04/11
まっきー☆
11
図書館本。随分前にアマゾンで見かけて読みたいと思ったが、書店や古本屋にもなく。私の行きつけの図書館にはなく、リクエストした。いわゆる中華系のファンタジー?とにかく名前が読めない(苦笑)。何ページか毎に仮名がふってあるが、読みづらかった。殺された父母の仇打ちがメインなのだが、話があちこちに飛んでいるような感じで、ちょっと混乱した。そして色々と唐突な流れ(特に陸松の申し出?とか)に、なんでそうなる?という疑問が。たくさん死んじゃったし、「え?ハッピーエンド?じゃないよね?!?!」というのが最終感想かな。2020/03/08
紅羽
10
男装の剣士が王殺しの剣を作ったという罪で殺された両親の仇を討つ為、旅をするファンタジー作品。女性である事を黙しているからこその色めいた展開等は殆ど無く、ただ自分に課した使命のみに忠実な紫凰。その最後も実に彼女らしい。続編も購入済みなので、この後の国や紫凰がどうなったのか気になります。2018/02/07
よっしー
6
結構展開が早くて面白かったので一気読み。作者さんの他の作品(ほっこりした感じ?)も読んでみようかなと思った。2018/05/07